冬の雨 - 天文
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日向 亮司

Author:日向 亮司
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冬の雨

冬の雨げにこよなくも堪えがたし



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しばらくして上中里団地にある床屋に出掛けてきた。もう35年近くも通っている。横浜に来て以来の付き合いである。日曜日の朝、電話をすると「今からでもいいですよ」という。予約が入っていないようだ。珍しいこともあるものだ。ザンザ降りの雨に客足が向かないのかも知れない。店に入るとすぐに一番手前の椅子に腰掛ける。35年でその椅子以外に座った記憶がないと言う位、決まった席である。時候の挨拶もそこそこに信用金庫の担当者の話になり、カークラブの話になった。
「カークラブはもう無いんじゃないかなぁ。年寄りが多くなったし、今の若い人達もあまり車に乗らないみたいだから駐車場も昔のようにはいらなくなったと聞いています。借りていた土地も返したはずですよ」と言う。
そんなものだろうか。100台以上はあったはずである。如何に高齢化が進んだとはいえ全部を返すとは思えない。散髪を終えて外に出ると少し小降りになっていたので、カークラブが借りていた駐車場を見に行くことにした。興味半分、郷愁半分である。住んでいた31棟の前を通り、私を呼び出して文句を言った会長の棟の脇を通った。まだ住んでいるだろうか?ポストの名前を確認するとまだ表札が出ていた。あれから20年である。「フゥー」と溜め息が出た。
団地の駐車場は昔と変わりなく見えた。その奥にカークラブ駐車場があるはずである。行ってみるとそこに車はなく、ただの空き地になっていた。車止めだけが残っていて、容赦なく雨がコンクリートを打ちつけていた(写真)。本当に返却したようである。柵越しに駐車場を眺めながら昔を思い出していた。傘を打つ雨音を聞きながら、ヴェルレーヌの詩を思い出していた。

巷に雨の降るごとく
われの心に涙ふる
かくも心ににじみ入る
この悲しみは何ならん

やるせなき心のために
おお、雨の歌よ
やさしき雨の響きは
地上にも屋上にも

消えも入りなん心の奥に
ゆえなきに雨は涙す
何事ぞ、裏切りもなきにあらずや
この喪そのゆえの知られず

ゆえ知れぬ悲しみぞ
げにこよなくも堪え難し
恋もなく恨みもなきに
わが心かくも悲し
                                 (平成29年作)

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