茄子の花 - 植物
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茄子の花

芸人に長き下積み茄子の花



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もう一人、当会の有名人のことを書いておこう。ビートきよし師匠である。昨年のモーニングセミナーで講演をしていただいたところ、すっかり会の趣旨に賛同してくれて入会までしていただき、たびたび飲み会などにも参加してくれているのである。今回の歓迎会にも来てくれて一言挨拶をしてもらったのである。
師匠とは忘れられない思い出がある。昨年暮れの事である。私の前で飲んでいて俳句の話になった。
師匠「この間、NHKの番組に出てよォ、山形まで行って最上川で船に乗ってきたんだよ。俳句の番組でよォ、そこで一句詠めって言うんだよなァ。結構、難しいもんだよ、あれは」
私「俳句は師匠が本当に考えたのですか?」
師匠「そりゃそうだよ。大変だったよ。紅葉の句を作ったんだけど頭使ったよ」
私「俳句はたった17文字ですが、なかなか難しいものです。自分でいいと思っても他人が読むと何を言っているのかサッパリ分からないというのもあります。大切なのは、誰が読んでもその情景がパッと目に浮かぶということです」
師匠「詳しいねぇ!」
私「俳句歴20年です。大体のことは分かります(笑)」
それからしばらく飲んでいたが、随分経ってから師匠がやおら舞台に上がってマイクを持って話し始めた。
師匠「いやぁ、この間のNHKの番組を見てくれた人がいるかどうかは分からないけど、俳句の番組で山形まで行ってきたわけよ。俳句っていうのは難しいねぇ。五七五しかないんだから。大変だよ。最上川に三難所という場所があってそこを船で下った時に作ったんだけど、今日はちょうど俳句の先生が来ているというので俺の俳句が良かったのかどうか聞いてみたいと思ってよ。なんたって作った俳句でどっちが上手いか対決することになっていて、相手の〇〇ちゃんとは引き分けということになったので、いいのか悪いのか分からないと来ているんだよ。詠んだ俳句を披露するので判定してもらいたいと思ってよ」
結構、お酒が入って上機嫌な私である。文字を見ないで読み上げた俳句にコメントするということになってしまった。その時の俳句を今ではすっかり忘れてしまったが「激流や……」で始まる句であったことは確かである。句はその激流に紅葉が映って美しかったというような内容だったと思う。酔っているというのは恐ろしいもので、師匠から振られた瞬間「駄目、駄目、全然駄目!」とやってしまったのである。今思い出しても冷や汗が出る。
私「激流や、ですよね。激流といえばラフティングをするような白波のイメージですよ。そこに美しい紅葉が映ったというんですか。映らないでしょう。白波に紅葉が映るっていうことは考えられない。紅葉が映るとしたら、流れの緩やかな瀞(とろ)のような場所ですよ。激流に映ることはないでしょう。激流と紅葉の組み合わせでしたら、飛沫(しぶき)に濡れる紅葉とか、散った紅葉が流れに散り込むとか。そのほうがイメージしやすい。まぁ、才能ありか無しかと言われれば、まずは凡人だなぁ……」
師匠「なるほど、俺も作っていて何か変だなぁと思っていたんだよなぁ……」
あとで考えると師匠には本当に大人の対応をしてもらったと感謝している。普通は頭から駄目と言われればカチンと来るものである。そこを「なるほど」と収めてくれたのである。酔った勢いとは恐ろしいものである。調子に乗ってはいけないことを思い知らされた。あれから何度か飲んでいるが師匠とはあれ以来俳句の話をしたことがない。
                                 (平成29年作)
(注)茄子の花には無駄花がなく、必ず結実するという。

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