水の秋
朱の橋の朱をちりばめて水の秋
黛まどかさんの話を2回書いたあと、ブログは黒部ダムへと移ったので「湯河原での話はないのですか」と聞かれてしまった。結果が結果だっただけに、妙に筆が重い(笑)。しかし、あれだけ宣伝してしまったので書かないという訳にもいかない。「敗軍の将、兵を語る」の巻である。
当日は会社を休んで参加したので、会社の中には何をしに出掛けるのか知りたいという人もいた。俳句に興味のない人に「吟行」といったところで分かるはずもない。
「万葉公園という場所に集まり、みんなで一斉に俳句を作り、一人2句提出する。80名の参加なので160句の中からまどかさんが選者となって良いと思う句を選び優勝者を決める」と説明する。よせばいいのに「行く限りは優勝だ」などと話を盛り上げるので、最後は自分の首を絞めることになる(笑)。
「それじゃ、事前にいい句を用意して行けばいいんじゃないですか?」と聞いてくる人もいる。
「なるほど、そう思いがちだが、その場で作ってこその吟行なんだ」と説明する。
「事前に作っておいた句というのは読むと分かるものなんだよ。温泉地だから「湯の町」とか「下駄の音」とかで作りやすいが、実際に行ってみると全く違ったものが見えてくる。頭で考えた句は昔誰かが詠んだような月並みで面白味のない句になりがちなんだ。実際にその場で見た物、感じた物を詠まないと感動は伝わらない。もちろん、そんな句はまどかさんが見逃すはずもない」「それじゃ、一発勝負ですね」「そう、その一発勝負が腕の見せ所なんだよ」と腕の力瘤を叩いてみせる。
朝早く出掛けた。到着一番乗りである。車を駐車場に入れ、早速公園を歩いてみた。早く着いて先に作っておくという作戦である。意外にすぐに出来たが、いい句という訳ではない。いかにも事前に作ってきたというような句ばかりである。「んーん、……」唸り始めた。
(平成27年作)
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黛まどかさんの話を2回書いたあと、ブログは黒部ダムへと移ったので「湯河原での話はないのですか」と聞かれてしまった。結果が結果だっただけに、妙に筆が重い(笑)。しかし、あれだけ宣伝してしまったので書かないという訳にもいかない。「敗軍の将、兵を語る」の巻である。
当日は会社を休んで参加したので、会社の中には何をしに出掛けるのか知りたいという人もいた。俳句に興味のない人に「吟行」といったところで分かるはずもない。
「万葉公園という場所に集まり、みんなで一斉に俳句を作り、一人2句提出する。80名の参加なので160句の中からまどかさんが選者となって良いと思う句を選び優勝者を決める」と説明する。よせばいいのに「行く限りは優勝だ」などと話を盛り上げるので、最後は自分の首を絞めることになる(笑)。
「それじゃ、事前にいい句を用意して行けばいいんじゃないですか?」と聞いてくる人もいる。
「なるほど、そう思いがちだが、その場で作ってこその吟行なんだ」と説明する。
「事前に作っておいた句というのは読むと分かるものなんだよ。温泉地だから「湯の町」とか「下駄の音」とかで作りやすいが、実際に行ってみると全く違ったものが見えてくる。頭で考えた句は昔誰かが詠んだような月並みで面白味のない句になりがちなんだ。実際にその場で見た物、感じた物を詠まないと感動は伝わらない。もちろん、そんな句はまどかさんが見逃すはずもない」「それじゃ、一発勝負ですね」「そう、その一発勝負が腕の見せ所なんだよ」と腕の力瘤を叩いてみせる。
朝早く出掛けた。到着一番乗りである。車を駐車場に入れ、早速公園を歩いてみた。早く着いて先に作っておくという作戦である。意外にすぐに出来たが、いい句という訳ではない。いかにも事前に作ってきたというような句ばかりである。「んーん、……」唸り始めた。
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