2020年05月の記事 - ひこばえ
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Author:日向 亮司
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ひこばえ


2020年05月の記事

夏来る

街角に事件多発の夏来る



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(承前)一瞬で悪い予感がした。持ち上げた植木の根っ子から土が零れている。次の事態を想像して守屋さんの顔を見ると彼もすぐに事態を把握したようである。行動に移した。君子危うきに近寄らず。三十六計逃げるに如かず。天は自ら助くる者を助く………階段を降りたというより飛んだと言った方が正しい。私より早く、守屋さんの姿はもうそこに無かった。韋駄天だと思った。以前から勘の良さと対応の上手さには感服していたものだが、土が零れるのを見て即座に姿を消す素早さには改めて驚かされた。
100パーセント出来上がっていた好川さんの姿は目にしていない。当然逃げ遅れた口と思っていたが、今日、話を聞くと上手く逃げおおせたとのこと。酔ってはいても、いざとなると上手くやるものである。どこに隠れていたのか、どこをどう走ったのか、彼は語ろうとしない。もしかして、植木に化けていたのかも知れないと思った。
さて庄司さんだ。彼は言う。「植木を倒したのは誰だ?」と。更に言う。「俺はあの日、あんまり酔っていなかった気がする」と。我々は言う。「庄司よ。お前がやったことは完全に常軌を逸していた。犯罪だ。刑法第261条、器物損壊の罪で三年以下の懲役または三十万円以下の罰金に値する。やめろという私の声も聞かず、植木鉢を振り回した罪は大きい」と。三人があっという間に散ってしまった屏風ヶ浦の駅前で庄司さんはあのあんちゃんに捕まる。
私は駅前に停まっていたタクシーに飛び込んでいた。乗り込んだ瞬間、走り出したのでその後のことを詳しくは見ていない。最後に見たのはあのパンチパーマで小太りのあんちゃんが血相を変えて走って行く姿であった。タクシーの中で祈った。何事も無事に終わりますように。警察沙汰にだけはなりませんようにと。
その後の顛末を今日、庄司さんから聞いた。興奮し切ったあんちゃんと交番に行ったこと。運良く巡査がおらず二人で押し問答になったこと。「植木代1万円、支払え」と言われ「飲み代を払った上にそんなものまで払えるか」と言い、「住所を言え」と言われ「テメェに教える住所なんぞ無い」と啖呵を切ったことなど。時間が経つにつれ、あんちゃんの興奮も収まって来て、最後は「また飲みに行ってやるから小さなことを言うな」と言って握手して別れたとのこと。さてさて大したものである。ロータリークラブとロータスクラブを間違えた男と同一人物と思えぬほどの胆力。男の中の男。イヨー、日本一。飲まなきゃもっといい男。

夏休みにまた呑兵衛会で千葉に行くらしい。私は予定があって参加出来ないが大いに盛り上がってくれることを期待している。それにしても「正しい」とか「誠」とか本物臭い名前を持った男には要注意である。くれぐれも事件のないように祈りながら、植木鉢事件のペンを置くことにする。(一部、敬称を略したことをお詫びします)
(注)庄司さんの名前が「正」であり、好川さんの名前が「誠」である。
                                 (令和2年作)




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