2020年05月の記事 - ひこばえ
FC2ブログ
background movie
HOME プロフィール

日向 亮司

Author:日向 亮司
FC2ブログへようこそ!

最新記事 最新コメント
最新トラックバック 月別アーカイブ カテゴリ カレンダー
04 | 2020/05 | 06
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

ひこばえ


2020年05月の記事

夜の薄暑

スナツクの名は女の名夜の薄暑



IMG_4943_convert_20200502043742.jpg



平成6年8月8日(月)「植木鉢事件」
5日(金)に起きたスナックAに於ける植木鉢放擲事件は連日の熱帯夜が引き起こした小さな暴発事件と言える。
主人公は庄司さんだ。またしてもあの庄司がやってくれた。
その日、会社のビアパーティでタダ酒をタラフク飲んでコンパニオンを口説き損ねた庄司さんが二軒目の「のん木」に着いた時には8割方出来上がっていた。隣には9割方出来上がっている好川さんもいて「のん木」の奥座敷はツマミも注文しない連中でごった返していた。いつもの7人衆の内、佐久間さんと坂口さんは来ていない。替わりに須田副社長と岡村先生ご夫妻が同席していて静かに会話を楽しむ場となるべきところではあるが、二人の酔っ払いにより杯盤狼籍の様相を呈していた。
「のん木」を出た我々は屏風ヶ浦の駅まで歩く。もう夜中の12時に近い。当然帰るべき時間ではあるが、岡村先生を送ったあと庄司さんが歌を歌いたいと言い始める。副社長は「のん木」の途中で帰っている。野田さんは翌日千葉に行くとかで「のん木」の前で別れた。残ったのは庄司さん、好川さん、守屋さんと私である。駅の隣の雑居ビルの2階にスナックAはあった。いつも冷静であるはずの私も酔っていたのか店の名前を覚えていない。仮にAとしておく。店にはやーさん風のあんちゃんが居て、最後には我々を追い掛けるという重要な役割を果たすことになる。店は混んでいた。カウンターに7、8人がいたように思う。まずはビールを注文した。「ビール2本」と言うと最低一人1本は注文しなければならないと言う。随分とケチ臭いことを言う店だなぁと思いつつも、まずは歌をリクエストする。すぐに順番がきて庄司さんが立つ。立っているのか座っているのか分からないほどだが、声だけは大きい。あんちゃんが怒る。「もっと小さな声で歌えないかなぁ。貸し切りじゃないんだから」と。「何、言ってやがるんだ」と文句を言いつつ、次は好川さんが歌う。好川さんの熱唱でカウンターの客がゾロゾロと帰り支度を始める。守屋さんが歌う。もう誰も人の歌など聴いていない。めいめいに大声で話している。女性二人連れが入ってきた。ヨシ!と立ち上がって私が歌う。みんなが上手いと絶賛する。しかしあんちゃんだけは文句を言う。「ベラベラ喋ってないで、もう少し静かにしてくれないか」「なにィ」飲みに来て喋るなとは何事か。無視してそれから各自3曲くらい歌って勘定となる。一万一千円。このサービスの悪さにしては取り過ぎじゃないかと思いつつも、ニコニコ現金払い。「じゃ、また来るよ」とドアを出たのは、私、守屋さん、好川さん、庄司さんの順。順番が悪かった。私が最後であれば、あの事態は防げたかも知れない。階段を半ばまで下りて振り返ると、どうしたことか、あの庄司さんが店先の植木鉢から木を引き抜いて、階下に放り投げようとしているではないか。何、何、何ィ!(つづく)
                                 (令和2年作)




にほんブログ村

スポンサーサイト



検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
フリーエリア