2020年02月の記事 - ひこばえ
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ひこばえ


2020年02月の記事

冴返る

図書館に玻璃の歪みや冴返る



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「愛宕山」を降りて駅に向かった。品川での待ち合わせ時刻まで2時間もある。<どこで時間を潰そう……>その時、目に入ったのが「港区立みなと図書館」の文字である。いつもは気に留めることもない図書館だが、そういう時に限って目に入って来るものである。駅の入口から180メートルとあり、いやに近い。「渡りに船」とはこのようなことを言うのだろう。中に入ると係員のような人が立っていて「こんにちは」と声を掛けてきた。もちろん挨拶は返したが、正直見張られているような感じがして違和感を覚えた。<本の盗難防止だろうか……>あまりいい感じはしない。中に入ってすぐには席に着かず、まずは館内を一回りしてみた。きれいである。本棚がきれいに見えた。何がきれいなのかと見てみると本の並び方がきれいなのである。本棚の棚の面に合わせて背表紙を揃えている。小さな本も大きな本も手前合わせに一列に並んでいるのが気持ちいい。整理整頓とはこのような美しさをも実現するのだと感心した。たまに入る図書館にいろいろと感じさせらるものである。
席に着いて手持ちの本を読み始めた。もちろん「アメーバ経営」の本である。おおよそのことは理解してきたが、実際に会社に取り込もうとすると難しそうなところが見えてくる。問題となりそうなところを読み込んでいる。
ガシャーン。突然、離れた場所で大きな音がした。「バカヤロウ!俺が〇△□……」急に何かが起きたようである。男の大声が聞こえて来る。何を叫んでいるのかは聞こえないが相当に興奮している。しかし男の声は聞こえるが、相手の声は聞こえない。静かな図書館のことなので係員が対処しているものと思われるがその声が聞こえて来ないのである。「何するんだ。このヤロウ。俺は〇△□……」5分位続いただろうか。急に静かになった。外に出されたようである。何があったのは知らないが、おかしな人はいるものである。
それよりも異常に思えたのは私の周りで本を読んだりして過ごしている人達のことである。大声が聞こえている間も誰一人としてそのことに興味を示す訳でもなく、自分のペースを守っているのである。<なになに、誰も見に行かないの?……>身体を反転させて何か見えるだろうかと探ろうとしているのは私だけである。<もしかして音が聞こえているのは私だけ?>と錯覚させられるほどの無反応である。<フムフム、我関せずといったところか……>英字新聞を読んでいる70代男性。格闘技の雑誌を読んでいる40代男性。料理のレシピを写真に収めている30代女性。週刊誌を取っ替え引っ替えしている50代男性。その他にも何人もいたのだが、誰も関心を示さない。何事もなかったかのように静まり返っている。
帰り際に入口に立っていた係員に聞いてみた。
私「さっき、何があったんですか?」
男性「えっ、何かありましたか?」
私「えっ……」
                                 (令和2年作)




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