2018年12月の記事 - ひこばえ
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Author:日向 亮司
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ひこばえ


2018年12月の記事

冬空

冬空へひよいとトラギスよく釣れる



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船は八景島の横を抜けて千葉の富津沖へと向かった。波は穏やかだが、物凄いスピードで走るのでどこかに掴まっていないと飛ばされそうである。座っているだけでも力が入る。時折襲ってくる波しぶきに背を向けて足を踏ん張ったりしながら景色を眺めていた。
「スゲェ~、船がジャンプしてる。波が追い掛けて来る~。速ェ~」
乗り物好きのカズ君が疾走する船に乗ったのだから大興奮である。しかし初めの頃こそ面白がっていたものの徐々に疲れてきたようで「まだ~?」などと聞いてくる。長い。5才児にはツラいところである。
20分ほどしてようやくポイントに到着した。大きくエンジンを唸らせながら船の位置を移動し、向きを整えたところで「はい、どうぞ!やってみてください」と船長が合図した。さっそく準備に取り掛かった。竿に糸を通し仕掛けをセット。エサを付けて投入。チョンチョンと錘を動かし、当たりを待つ。隣のカズ君の竿を出す余裕はない。まずは1匹釣ってみせないことには話にならない。波はない。ゆっくりと船体が揺れているだけだ。すぐ近くに木更津の工場群が煙を吐いている。5分ほどしてヒットした。
「来た来た来た~」
小さい魚信(あたり)だったが確実に何か乗っている。巻き上げると10センチほどのシロギスが掛かっていた(写真)。サイズは小さいが本日の1匹目である。写真を撮ってバケツに放流した。カズ君も大喜びである。我々の横には小学校5、6年生の女の子を連れたお父さんが乗っていていい型のキスを上げていた。後ろの若者たちにも釣れたようで「これ、キスか」などの声が聞こえる。娘にもヒットした。なかなか出だし好調のようである。
時には20センチくらいのキスも掛かる。重い。巻き上げる途中にも強い引きを見せる。「トラギス」というのも掛かってくる。娘は「ダボハゼ」と呼んでいたが、おそらくトラギスが正解だろう。小さな魚信のあと、何も反応しなくなるので逃げられたと思って釣りを続けていると、このトラが掛かっていてシロギスが食い付く邪魔をしている。2回に1回はこのトラが顔を見せる。カズ君が数を数え始めたのでトラもバケツに放り込んだが、食べられるのかどうかは分かったものではない。油断しているとこのトラが指に噛みついてくる。結構、獰猛である。
途中から少し風が出て来て船も揺れ始めた。釣り始めて30分もしない頃、振り向くと後ろの若者たちの姿が消えていた。5人ともいないのである。
「あれっ、どこに行ったのだろう?」
                                 (平成30年作)




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