2018年11月の記事 - ひこばえ
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Author:日向 亮司
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ひこばえ


2018年11月の記事

身に入む

身に入むと云へば慰められもして



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祝賀会当日、桜木町の展示会場には知った顔がたくさん集まっていた。挨拶のあと受付の真似事でもしようかと思ったがその前に一回り展示された作品を見て回ることにした。まずは自分の作品である。「柱」に飾られていた(写真)。柱の中では一番いい位置である。10文字なので「壁」は無理だろうと思っていたので、入会の順からしても順当な位置と納得した。「来年はもう少し字数を増やしてもらおう」と思った。
次に先生の作品に向かった。最も奥の場所に3作品飾られて鎮座していた。見事な作品である。いつも見慣れているのでその素晴らしさだけは分かる。その横にベテランの大作が並ぶ。文字数も40字50字あろうかという力作揃いである。
「こうなるにはあと何年頑張らなければならないのだろう?」
「本当に自分にも書ける日が来るのだろうか?」
そんなことを思いながら見ていた。その時である。意外な人の作品を見つけた。小品である。8文字である。
「エッ!」
私より少ない。オッ!それなのに「壁」であり、しかも先生の作品にいやに近い。高位置に飾られている。
「………」
まさに絶句である。
作品は私より1年遅れで入会してきた男性のものだった。入会してまだ1年半である。私と同じ塾に通い時間帯も同じなのでいつも隣で練習する間柄である。年齢は私より2才上。ここのところ順調に段位を上げてきて今3段の位置にいる。1年早く入会した私が4段なので徐々に間が迫って来ている。ヒタヒタと足音をさせながら近づいて来るノリノリ男なのである。上手いとは思っていたが、「衝立、柱、壁」のルールからすると驚き以外の何物でもない。
「なんでこの位置?それはないだろう!」
絶句するしかない。男性の名前は小林さん。その時、彼は入口で笑いながら受付などをしていた。一回りして小林さんに対する時、動揺を悟られてはいけないと思った。顔に出してはいけない。「平常心、平常心」と心に言い聞かせた。
私「小林さん、凄い場所に飾られているじゃありませんか!特等席ですよ。まさか、先生にお歳暮なんかを届けているんじゃないでしょうね」
心の中では分かっていても、すぐに声に出てしまうタイプの男である(笑)。
小林さん「いえいえお恥ずかしい限りです。日向さんの場所も一番目立ついい場所ですよ。またいい字を書いている。さすがですよ」
私「いやぁ、小林さんに負けたのは今回の一番の痛恨事です。あの位置は先生も認めた実力者ということになる。脱帽です。やられました。今日はヤケ酒だ。付き合ってくださいよ。荒れますからね(笑)」
小林さん「先輩にそう言われたんじゃ、付き合うしかない。トコトン行きますか(笑)」
本当に上手いと思った。以前どこかで習っていた経験者である。書き方も基本がしっかりしている。しかも一字一字を丁寧に書く。私のように勢いでは書かない。ゆっくりと丁寧に心を込めて書いていく人である。また熱心である。後から聞いたところによると紙は100枚以上書いたという。私が50枚なのでそのあたりからして違う。祝賀会では隣同士で楽しく飲んだ。先生が「ライバルがいるというのはいいことだよ。二人とも上手くなる」と声を掛けてくれたが、慰めにもならないことはもちろんである。
                                 (平成30年作)




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