2017年11月の記事 - ひこばえ
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日向 亮司

Author:日向 亮司
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ひこばえ


2017年11月の記事

秋晴るる

ターザンの真似して空へ秋晴るる



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その後もいくつかの訓練を行なった。1本のロープの上を歩いて渡る「テンショントラバース」も、目標に向かって進む時の心構えを教えてくれていた。後ろ(過去)ばかり見ていると途中で足が進まなくなる。ロープの中央で進めなくなった人へのコーチの掛け声は「前を見ろ!後ろばかり見るな!目標を見ろ!」であった。
その日、最後のトレーニングは「パンパープランク」というものだった。高さ8メートルの台の上から目の前にぶらさがっているブランコに向かって飛び立つというものである(写真)。サーカスのようでもあり、バンジージャンプのようでもある。命綱に繋がれているものの、高所恐怖症の私には目のくらむようなチャレンジである。
初めに目標を決める。ブランコに掴まるか触るかを選ぶのである。次に掛け声を決める。跳ぶ時の「セーノ!」や「1、2、3!」である。私は「掴まる」を選び「セーノ!」を選んだ。梯子に上り、柱の金具に掴まって上がって行く。台の上に立つと柱がグラグラと揺れる。台の先端まで進み、爪先を出して止まる。柱が揺れるのでいつ落ちても不思議はない。先端に直立し、呼吸を整える。呼吸を整えると不思議に柱の揺れが治まる。揺れが止まらないケースがあるという。心が決まっていない人だという。私の場合はすぐに止まった。そこで宣言を行う。今回のセミナーで学んだこと、心に誓ったことなどを話すのである。私は上る前から宣言する内容を決めていた。内向きな自分を改め、外向きに生きるという宣言である。揺れが止まった。下を見下ろし、全員の顔を確認してから始めた。私の宣言である。
「私はこれまで内向きに生きてきました。自分を信じ、自分でやることを決め、自分で頑張るというやり方です。人を当てにせず、人を信じない自分がいました。しかし、今回のセミナーでそれが間違いだったと気付きました。これからは外向きに生きて行きます。人を信じ、人に任せ、人の幸せを願う生き方をして行きたいと思います。『ゆだねます』『支えます』の関係を周囲と築いていきます。必ず、外向きの人間に生まれ変わります!セーノ!」
一瞬ブランコを掴んだが、身体が大きく跳ねて、宙に浮かんでいた。宙吊りのままロープが下ろされ、そこにみんなが駆け寄ってくれた。「良かったよ、良かったよ」と言われ、全員のハグを受けた。命綱を外してから全員に向けてのお礼の一言である。
「私の宣言は心からの叫びです。社長になってから、いえ社長になる前から、自分中心の考えで生きてきました。俺が俺がで何でもこなしてきました。しかし振り返ってみると誰もいませんでした。何と意味のないことをやって来たんだろうと泣けてきます。しっかり前向きに生きていきたいと思います。今回、いい仲間に出会えて本当に嬉しく思っています。とてもいい経験をさせてもらいました。この体験を元に大きく変わろうと思います。次回、お会いする時は外向きな人間になっています。本当に有難うございました」
                                 (平成29年作)

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秋深し

見つめ合ふ目と目二人に秋深む



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エイちゃんが登って来るたびに柱が揺れる。コアラのように木にしがみ付きながら、遠くの空を見ていた。
「大丈夫、やるしかない。遅かれ早かれ落ちるのだから、思いっきり行こう!」
急に腹が据わったような気がした。あの落着きは何だっただろうと今にして思う。やれると思った。片手で柱の金具を掴み、エイちゃんと向かい合ってもう一方の手を合わせた。片足をロープの先に延ばし、金具から手を離すタイミングを計っている。1番手も2番手もここで大きく崩れた。最も肝心な瞬間である。
エイちゃん「もっと、足を先に出そう」
私「これ以上開くと、股が割ける(笑)」
エイちゃん「おお、余裕だね(笑)」
私「余裕、余裕(笑)」
エイちゃん「セーノ……」
金具を離した。ロープが揺れる。エイちゃんの身体が大きく揺らぎ、必死の形相になり堪えている。しばらく揺れていたが、徐々に治まってくる。
私「いい感じ……」
エイちゃん「止まるまで動かないでいよう……」
私「止まった……」
エイちゃん「よし、行くよ。後ろからだよ。セーノ、うしろ!」
すごい力が全身に掛かってくる。エイちゃんの体重を私の両手が支えていることになる。足を動かすとロープが揺れ、足の裏に伝わってくる。
エイちゃん「セーノ、まーえ!」
下からの声が聞こえる。
「きれいだよ。いい姿勢!そのまま、そのまま……」
順調にロープの中ほどまで進んだ。一度も崩れていない。お互いの歩幅の違いを少し感じる位で、調整範囲内である。エイちゃんの先の足が進み過ぎているように思ったので、私の足を少し先に進めようとした。その瞬間である。
エイちゃん「ワッー!」
私「オオ……」
エイちゃんのバランスが崩れた。片手が曲っている。堪えている。必死である。
エイちゃん「ウウウ……」
どこに力を入れているのか、基本形から大きく外れたようである。崩れる一歩手前である。
私「エイちゃん!俺の目を見ろ!」
この一言「俺の目を見ろ」が研修での象徴的一言になった。これでエイちゃんは立ち直った。私の目をしっかり見て元の位置に復帰した。
私「大丈夫?」
エイちゃん「大丈夫」
私「本当に大丈夫?(笑)」
エイちゃん「大丈夫(笑)」
私「行くよ。セーノ、まーえ!」
我々がベストカップルであったことを今でも信じている(笑)。
                                (平成29年作)

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天高し

木の上にありていよいよ天高し



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翌朝、バスで大雄山入口にある野外研修施設に移動した。ナラやカツラの木などの高木が立ち、その間にたくさんの柱が立てられロープが張られている。
「随分と高い所に張ってるなぁ」
みんな見上げながら呟いている。まさか、あの上に自分達が登ろうなどとは思っていない。簡単な説明のあと、柔軟体操を行ない、昨日練習した「ハイワイルドウージー」を行なうという。「何をやるのだろう?」と思っていると、あのロープの上を渡るというのだ。
「エッー!何メートルあるんですか?」
「8メートル」
「嘘でしょう?」
「これから2人1組になって上に登ります。上ではお互いに両手を合わせ向き合います。その体勢で先に進むのですが、ロープは『ハ』の字に広がっています。徐々に身体は前屈みになり、互いの手だけが支えとなります。片方の体勢が崩れると二人一緒に崩れることになります。自分だけが良くても駄目です。二人が一緒に同じタイミングで進んでいくのです。大切なことは相手を信じることです。それには相手の目をしっかりと見ることです。下を見たり、違う動きをすると崩れます。いいですか、大丈夫ですね」
私の相方はエイちゃんである。山形県で保険会社を経営している私より少し年下の男性である。篠田さんが「やる順番を決めてください」という。私は3番目にやることを申し出た。
エイちゃん「えっ!もっと後の方がいいんじゃないの?」
私「いや、どうせやるなら早く終わらせた方がいい。1番目、2番目じゃ様子が掴めないといけないので3番手あたりがいい。最後までドキドキするのは敵わない」
エイちゃん「分かりました。よし、それで行きましょう!」
1番手は最初から崩れた。柱から手を離した瞬間に相撲を取っているような格好になった。
「何で?」
下で見ていて、なぜそうなったのか分からない。足の幅が狭すぎるとか、手が開き過ぎているとか、いろいろなことを言っている。ようやく体勢を直して進み始めるが、また崩れる。見ると二人の姿勢が揃っていない。
エイちゃん「ヒナちゃん、最初の一歩目は大きく足を開こう。声を掛け合おう。お尻を引くのは良くない。常に直立の姿勢を維持しよう。腕は常に耳から離さないようにしよう」
結構、よく見ている。2番手も崩れた。大変そうである。崩れた姿勢を立て直すには相当な体力が必要だ。体力がないとそのまま落下することになる。崩れないことが一番である。すぐに順番が回ってきた。最初に私が登った。高所恐怖症の気がある。下を見ないようにして登り切った。エイちゃんが登って来る。柱が揺れる。
「ヒエー!」
                                 (平成29年作)

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富士の初雪

初雪の便りの富士に見えけり



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セミナーは富士山が真正面に見える「いこいの村あしがら」という研修施設で行われた。初冠雪の便りが聞こえた富士山の当日の姿は写真の通りである。11月2日(木)昼11時に集合。2泊3日の研修である。3日(金)は「文化の日」なので大丈夫だが、4日(土)は朝の会に出なければならない。3日の夜までということにして参加した。
総勢12名の参加だった。名古屋でお会いしたメンバーが6名も参加していた。名刺交換のあと、セミナーが始まった。セミナーのタイトルは「リーダーシップ研修」である。リーダーとしての心構えを実践を通して学ぶようである。初めの講義は前回習った4つのパターンの復習である。メンバーがどのタイプに所属し、どう考え、どう行動するかを研修の中で検証していくという。12名が4タイプそれぞれに分類され、誰がどのタイプか分かるようにしてスタートした。

ゲーム形式のプログラムをいくつか行なった。「トラストフォール」は台の上から後ろ向きに全員が待ち受ける手の上に落ちるゲームである。人を信じるということを学ぶゲームのようである。翌日行う「ハイワイルドウージー」のための2人1組のゲームはじっと目を見つめながら身体を離していくというものであった。その時点では何のためにやっているのか分からなかった。
「ネームトライアル」というゲームを紹介しておこう。これは全員が輪になり、小さなボールを片手で一回しするゲームである。ボールを隣から受け取り、次の人に回す際、自分と右隣、左隣の人の愛称を呼ばなければならない。私の場合は「ヒナちゃん、オグ、エイちゃん」と呼ぶのである。最初にやってみた時、一回りするのに40秒を要した。篠田さんは「これを練習して時間を短縮していくのですが、最終目標を設定します。何秒に設定しますか?」と全員に問いかけてきた。
「練習すれば速くなるだろう。半分の20秒」
「いや、一人1秒で13秒」
「切りが悪いので10秒」
目標が10秒に設定された。まず3人1組に分かれ、ボールを回す練習をする。3人なので回りが速い。次から次と回って来るのをいかに速くするか練習する。ボールの受け渡し方、名前の読み方、身体の向きなどが変えられていく。2回目であっさり15秒が出た。
「おー!」
全員が驚いた。次にまた練習し、9秒が出る。
「もっと名前の呼び方を速く。3人の愛称を言うのではなく1つの単語のように練習して」と篠田さん。「ヒナちゃん、オグ、エイちゃん」が「ヒナチャオグエイチャン」になる。0.5秒である。これをやって6秒が出た。
「おー!出来るもんだね。これじゃ、5秒切れるよ」となる。全員、夢中である。
「よし、5秒を切ろう!」
また練習をする。「ヒナチャオエチャ」の世界である。最終的に出たのが4.99秒である。全員で歓喜し抱き合って喜んだものである。目標に向かって全員が一体となること、達成する喜び、普通に考えられる以上の目標設定が可能であることなどを学んだ。
                                 (平成29年作)

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新酒汲む

肩組みて杯高々と新酒汲む



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日本一の名古屋市中川区倫理法人会を参考に会を変えてみようと思った。いろいろと気付かされたが、まずは「チーム制」だと思った。会の150名を7チームに分け、リーダー、サブリーダーを決め、動かしてみようというのである。案をまとめた。燃えてくれそうな14名を選び、チーム名まで考えた。すぐに説明会を開くことにした。20名位を予定したが、集まってくれたのは12名である。それぞれに予定があり、なかなか思うようには集まってくれない。それでもまずは皆がどう反応するかが見たかったのでそれでよしとした。残りの人にはその後で話せばいい。
夕方、会議室で話を始めた。「何を」「どうやって」「なぜするのか」と考えるタイプの私である。話もその順序でしか表現出来ない。本当にパターン化されていると思った。名古屋に行って来た話、そこで見たもの、感じたこと、こうありたい、こうあらねばならないと順を追って話していった。「この方法を取ればきっと会が変わり、全員が幸せになれる」と熱弁を振るった。話している間、全員シーンとして聞いているので伝わっていないのかと心配したが、話し終って全員賛同してくれたことが分かった。
終っての中華料理屋での盛り上がり方といったらなかった。凄いものだった。こんなに熱い人達だったのかと目を疑うほどだったのである。
「いいですね、やりましょう!」
「みんなで頑張りましょう!」
「どうせやるなら、日本一を目指しましょう!」
あまりの盛り上がりに仕掛け人の私としては少し不安を感じたものだった。この熱を冷まさないようにしなければならない。まだまだ先は長い。しっかり土台を作らなければならない。いい見本があるとは言っても同じように出来るかどうかは分からない。すぐに私は篠田さんと相談して彼の有料セミナーに申し込むことにした。「乗り掛かった船」である。折角なのでそのノウハウを詳しく知っておこうと思ったのである。なんでも実際に体験しておきたいと思う性格である。このノウハウをマスターし、倫理の会を変えることはもちろん、会社にも取り入れてみたいと思ったのである。会社のレベルをもう一段アップさせるチャンスかも知れない。上手く行くかどうかは別の話である。まずはやってみることが大切と思う人間である。
                                 (平成29年作)

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小鳥来る

指組めば判る相性小鳥来る



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どんな方法で組織を拡大したのだろう?その方法を使えば倫理法人会の活性化はもちろん、会社の組織作りにも利用出来ると言っていた。帰ってすぐに篠田さんに名古屋の報告を済ませ、彼が主催する無料セミナーに参加させてもらうことにした。少しでも早く話が聴きたかったので強引に割り込ませてもらったのである。ビルの一室で十数名が参加する1時間半のセミナーだった。

「倫理法人会にもたくさんの会員がいます。会社にもたくさんの人が働いています。これらの人を上手くコントロールしていかなければなりません。しかし、人は十人十色で、皆それぞれ考え方も違えば行動パターンも違います。そのお陰で様々なミスコミュニケーションやコミュニケーションギャップが生まれています。上司と部下の意見が合わない、相性が悪い、怒ったり怒られたりしながらやっている。それは各人が自分の尺度で他人を測ろうとしているから起きているのです。自分を知り、相手を知り、組み合わせを変えればそういったことは起こりません。正しいコミュニケーションが生まれるのです」という所からスタートした。
人を四つのパターンに分類するという。指を組み、腕を組み、指の左右どちらが上か、腕の左右どちらが上かで組み合わせを決める。
「えっ?そんなもので人を分けるの?」
私の第一印象である。いや、私だけではない、全員がそう思ったはずである。しかし、分類され、それぞれの説明を聞いて行くと、なるほど、考え方や思考方法、話し方、行動パターンが見事に言い当てられていくのである。
「日向さん、あなたは何事も順序立てて考える人です。『何を』『どうやって』『なぜするのか』という一連のストーリーを考えてから動くタイプの人です。しかし、中には『どうやるのか』だけを重視する人もいます。また『何をするのか』だけを考える人もいます。また『なぜやるのか』に拘る人もいます。思考方法が違う人達が集まっているのですから、相手の行動や言動が分からなくなるというのは当たり前です。可能性50%になってはじめて行動するパターンの日向さんが可能性1%で行動する人を見てどう思いますか?『あいつは何も考えないで行動するやつだ』と言うでしょう。可能性が70~80%にならないと行動しない人を見てどう思いますか?『いつまで考えているんだ!』ということになるでしょう。まずはその人の特性を知ることが必要なんです。それを理解しないから誤解が生まれ、コミュニケーションが図れず、組織がギクシャクし、歯車が合わないということになるのです。中川区では会員180名全員を四つのパターンに分け、胸に四つの色分けされたバッチを付けています。お互いを理解し、考え方を知り、それをベースに良いチームが出来上がっています」
                                 (平成29年作)

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豊の秋

日の本を統べし尾張や豊の秋



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そもそもは日本一の単会「名古屋市中川区倫理法人会」のモーニングセミナーを見学しに行った所から始まった。横浜市倫理法人会の会長となり1年の方針を立て勢いよく進み始めたはずだが、何せ初めてのことである。自分が立てた方針が良いものなのかどうかイマイチ自信がない。まずはやってみることだと心に決めてはみたものの、根拠がアヤフヤなのだから迫力がない。このままでいいのだろうか。もっと違う方法があるのではないだろうか。そんなことを考えている時に声を掛けてもらったのが当会会員の篠田さんである。この方は凄い方でその中川区を日本一に導いた立役者なのである。横浜に住んでいて名古屋の単会を日本一にしたというのも分からない話だが、まずは話を聞いてみることにした。喫茶店で1時間程、一緒にお茶を飲んだ。
「2年前の中川区は今の横浜市と同じようなものでした。普通に朝礼を行ない、普通にモーニングセミナーをやっていただけの会です。それが急に変わって行きます。キチンと目標を定め、全員が出来ると信じ、全員が本気で燃える集団に変わって行きました。組織を活性化する方法を取り入れたからです。横浜でも出来ますよ。全然難しくありません。簡単です。やってみてください。大丈夫です」
その3日後に私は名古屋にいた。百聞は一見に如かず。まずはこの目で確かめるしかないと思ったのである。前日の夕方に到着し、ホテルにチェックイン。午後6時に篠田さんが連絡しておいてくれた会の役員の女性とロビーで待ち合わせ話を聞かせてもらうことにした。食事をしながらの3時間。とても熱く語ってくれた。会の在り方、考え方、組織を大きくする方法、そもそも何のための倫理か、伸びる理由、伸びない理由、会社の業績が伸びない理由も全く同じとまで言い切った。熱弁3時間でその会の素晴らしさを語ってもらったのである。
翌朝5時20分に会場入りするとすでに30名が集まっていた。会長に挨拶などして見ているとどんどん人が入ってくる。5時40分、モーニングセミナーのリハーサルが始まる。その時点で70名に溢れている。何列にも並び、真剣に練習が行われる。本番のモーニングセミナーの参加者数は122名。会場に立ち見が出来ている。圧倒的人数、素晴らしい熱気、真剣な学びの場。初めての見学で驚きを通り越して、感動、夢見心地の気分である。
今、私が会長をしている横浜市の会をこう変えなければならない。あれを作るのに僅か2年だったという。その組織作りを指導したのが篠田さんだというのだ。
「本物だ!凄い人だ!俺もやってみよう!」
                                 (平成29年作)

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登高

虎朱印見むと天守へ登高す



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朝食を終えて外に出ると雨は少し強くなっていた。駐車場に戻り車に乗り込もうとした時、ちょうど傍に係員がいたので聞いてみた。
「小田原城までは歩いてどれくらい掛かりますか?」
「5分くらいで行けますよ」
「そんなに近いんですか?どっちに行くんですか?」
「正面から入るのでしたらこっちですけど少し遠くなります。天守閣までの近道はこっちです」
9時開門とのことなので、ちょうど良い時間である。ちょっと見て来ることにした。少し歩くとすぐ目に前に天守閣が見えてきた。「北入口」から入り、本当に5分程で到着した。難攻不落の城にしては随分と簡単な道だなぁと思った。開門まで15分ほどあったので、雨の中ではあるが周囲を歩いてみた。菊花展を行なうための小屋だろう、雨の中で作業をしている人がいた。土産物屋が店開きの準備中である。その横に大きな檻がありニホンザルが飼われていた。傘を差してそれを見ている人がいる。この雨の中、開門前から何をしているのだろうと自分のことは棚に上げて眺めていた。
開門を待って城の下に集まったのは4人である。猿を眺めていた女性2人と外人の男性1人と私である。外人と目が合ったので、いきなり「アメリカン?」と聞いてみた。その前の朝食会でアメリカンコーヒーを注文したのでついつい口を衝いて出てしまったのかも知れない。「ノーノー、スウェ〇×※」と聞こえた。よく聞き取れない。意味不明である。スウェーデンだろうか。もしスウェーデン人だとしても次の会話が成り立つ訳がない。英語がままならない私である。何で声を掛けてしまったのだろうと後悔しかけた時、ゆっくりと城入り口から降りて来た警備員が門を開けてくれた。きっちり9時である。お役目とはいえ雨の中で待たされるお客からすると「もう少し早く」と言いたかったところだが、外人との妙な関係を抱えた私には救いの神にも見えたのだった(笑)。
城の中は完全に展示室と化していた。新装したばかりの真新しさである。狭いスペースではあるが様々なものを展示し、ぐるぐる回しながら2階、3階と導いていく。途中、ビデオ放映のコーナーなどがあり、北条5代や小田原城開城のことなどを伝えている。一人で腰掛けて見ていると先程の外人が私の横に座った。ちょっと黙礼をしたあとは知らんふりするしかない。ビデオでは「虎朱印」の説明をしていた。2代目の北条氏綱が使用した文書が初見だという。以降、氏康、氏政、氏直と代々受け継がれてきた北条氏の権威の象徴である。印には「祿壽應穩(禄寿応穏)」と彫られ、その上に虎が描かれている。「禄(財産)と寿(生命)が応(まさ)に穏やかであるように」と、人民の平和な暮らしを願う北条5代の善政を示す印だという。コンクリート造りではあるが、昔の城主になったようなつもりで天守から雨の小田原を見下ろして帰って来た。
                                 (平成29年作)

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秋澄む

秋澄むやマイク越しなる己が声



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翌朝は小雨まじりの天気だった。4時半に起き、5時40分に会場に入った。会場はオレンジホテルの向かいのビルである。何人かが来ていて準備をしていた。知った顔もいて皆さんに挨拶して講師席へと案内された。先日の会長の弟さんにも会えた。横浜でお世話になったことを話すと「そうですか、それは、それは」と言うだけで会長からは何も聞いていないようだった。「俺は行けないけど、弟に話しておくから」という言葉は社交辞令だったようである。6時ちょうどに役員朝礼が始まり、6時半にモーニングセミナーがスタートした。全員で歌を歌い、栞の輪読、会長挨拶と続き、私の講話が始まった。6時45分から7時25分までの40分間である。演台に立ち挨拶をし、さてこれからという時に前列3番目に座っている人を見てアッと驚いた。あの会長が座っていたのである。「もう早起きは出来ない」と言っていたのに来てくれたのである。セミナーが始まる前には見掛けなかったので、間際に入ってきたようである。とても嬉しかった。わざわざ来てくれたに違いない。張り切って話し始めたことはもちろんである。
私の講話の内容は自分が社長になってからの苦労話である。実際に起こったトラブルをどのように解決したかという話である。人は苦難に直面する。その時どう動くかで人の真価が試される。立ち向かう人もいるし逃げる人もいる。正しい方法で対処出来る人もいるし、間違ってトラブルを大きくしてしまう人もいる。原因を相手の所為にして、相手を変えさせることばかり考える人がいるが、ほとんどの場合は逆である。自分に原因があると考えた方がいい。自分自身を省みて反省し、正しい方法で対処すればどんな苦難も解決出来る。どんなに大きな苦難でも決して逃げてはならない。苦難が大きければ大きいほど、乗り越えた時の喜びは想像以上のものとなる。そんな話である。
終ってすぐに会長のところに挨拶に行った。
私「先日は有難うございました。今日は来てくれるとは思いませんでしたよ。本当に有難うございます」
会長「あんたがしゃべるというのに来ない訳にはいかないだろう(笑)。何年振りかで早起きして出てきたので、女房からも怪しまれたよ(笑)」
私「いやに真面目に聞いてくれていましたね(笑)」
会長「いや、本当にいい話だったよ。来てよかった。聞き逃したら大損するところだったよ」
私「冗談を言わないでくださいよ(笑)」
会長「いや、本当によかったよ。グッと来たよ。人の話を聞いてこれほど感動させられたのは久し振りだよ。話が上手いねぇ。あんたは語り部だよ(笑)」
絶賛である。その後の食事の席も隣に座らされ、褒められっぱなしである。
その会長さん、会の人達にとっても久し振りだったようで次から次へと挨拶されていた。しかも皆さん、相当に敬意を払っている。相当の大物であることが分かった。
                                 (平成29年作)

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そぞろ寒

そぞろ寒ただ寝るだけの宿に入る



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当日、早目にホテルに着くように出掛けたが、東名高速の入り口でトラックの横転事故があり1時間以上も渋滞に嵌まってしまった。早く着いて小田原城を見に行きたかったのである。しかし、時刻は4時半になっていた。カーナビに案内されて目的地に到着したが、オレンジホテルなる建物が見当たらない。路上に車を停めて外に出て探してみた。ビルの中の3、4、5階の部分だけがホテルだということが分かる(写真)。会長の言う「小田原で一番豪華」という意味が分かった。駐車場に車を入れて「ホテルフロント」と書かれた3階に上がっていった。薄暗い建物のエレベーターを降りたすぐ横にフロントがあった。
私「スミマセン、どなたかいらっしゃいますか?」
声を掛けると奥から若い女性が出てきた。
私「予約していると思うんですが、日向と申します」
女性「はい、伺っております。代金がまだなのですが、頂いてよろしいでしょうか?」
私「えっ?代金は倫理法人会の方で支払うことになっていると思うんですが……」
女性「そうですよねぇ、いつもは頂いているんですが、今日はまだ頂いておりません」
私「そう?それじゃ、問い合わせてくださいよ。きっと、会で支払うはずですから」
女性「分かりました。それでは少しお待ちいただけますか?係があと10分ほどで参りますので、それまでソファでお待ちいただいてよろしいですか?」
エレベーターの目の前にあるソファを指して言う。私も講師を行なうようになってから2年ほど経つが、こういう造りのホテルは初めてである。建物の一部だけがホテルである。ホテルがテナントで入っているのだろうか。他の階をテナントで貸しているのだろうか。どういう部屋なのだろう。風呂は付いているのだろうか。少し不安になってきた。
しばらくして係という男性が現れた。年は78才。コンチネンタルホテルで会った会長より5才上とのことだったので、そういう計算になる。
男性「代金はいいですよ。こっちで連絡しておきますから。〇〇さんもウッカリしているからなぁ(笑)」
〇〇さんと私は面識がないのだが、当然知っているものとして話している。会長の話にもなった。聞くと凄い人である。手広く事業を行なっていて小田原の名士のようである。
男性「あの人がここの法人会を作ったようなもんですよ。顔が広いので一挙に人を集めてみんな会員にしてしまった。勢いがあったなぁ。俺も古いからね、そのあたりのことは全部知っている(笑)」
翌朝のモーニングセミナーの会場の場所を教えてくれたり、駐車場のことを説明してくれたりして部屋のキーを渡された。どんな部屋だろうと危ぶんだが、入ってみると普通の部屋だった。しばらくして夕食に外に出たが、向かいがすぐ「万葉の湯」という立派なビルである。他で軽くビールなど飲んで食事をし、再び「万葉の湯」の前に立ったが入るのも面倒になり部屋の風呂に入って休むことにした。本を読みながら寝てしまった。
                                 (平成29年作)

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屏風

祝宴の舞台へ屏風運ばるる



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知人の会社の創立記念パーティーに招かれた。場所は横浜コンチネンタルホテルである。300名程を集めて、歌あり踊りありの豪勢な祝賀会だった。丸テーブルで私の隣に座ったのが小田原で会社を経営している会長さんである。今は弟さんに社長を譲って悠々自適といったところだが、年の割には元気でまだまだ引っ込んでいるような様子はない。年齢は73才と聞いた。
私「今日は小田原からですか。遠くからご苦労様です」
会長「えっ、小田原が遠い?全然、遠くないよ。新幹線で15分だよ。いやだねぇ、こういう人は。神奈川県から出たこと、ないんじゃないの?(笑)」
名刺交換した時の一言である。妙に人なつこい、親近感を覚えさせる人物である。
私「あれっ、小田原って神奈川県でしたっけ?たしか、静岡県でしたよね(笑)」
会長「まいった、まいった。上手がいるなぁ。一本取られたなぁ(笑)」
私「大体、名刺に神奈川県小田原市と書かなければいけないところが遠い感じがするんですよ。私の名刺は横浜市から始まっていますよね。神奈川県横浜市と書く必要がない(笑)」
会長「おっ、そうだな。そう言われればそうだ。なるほど……」
私「来週、小田原にお邪魔します」
会長「おっ、仕事で?」
私「いえいえ、倫理法人会です」
会長「ああ、倫理の人か。このテーブルはみんな倫理なんだ(笑)。俺もかれこれ35年もやって来たよ。お陰で会社は大きくなったし、潰さないで来られた。しかし、さすがに疲れたよ、朝が早いからなぁ(笑)」
私「35年とは凄いですね。草創期からですね」
会長「そう、今は弟に任せて出ていないけど(笑)……。何をしに小田原に来るの?」
私「講師です」
会長「おお、そうか。そりゃあ、聞きに行かなきゃまずいな(笑)」
私「いえいえ、大丈夫ですよ。会長さんのような凄い人生を歩いてきた訳ではないですから、大した話じゃないですよ(笑)」
会長「ホテルはどこに泊まるの?」
私「オレンジホテルと聞いています」
会長「おお、小田原で一番豪華なホテルだよ。このコンチネンタルほどではないけどなぁ……(笑)」
豪快肌の人である。しかもよく笑う。笑顔が素晴らしい。約3時間の祝賀会もその会長さんのお陰でとても楽しく過ごすことが出来た。感謝、感謝である。
                                 (平成29年作)

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添水

ダヴィンチの手になる添水かと思ふ



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模型はとても素晴らしいものだった。ダヴィンチが実際に作ったかどうかは分からないが、時代を先取りしたその発想力と実現性、緻密さ、こだわり、そして何と言ってもあらゆる分野にまたがる多才ぶりには驚かされたものである。
歯車があり、滑車があり、関節の動くロボットやトレーニングマシーンまである。組み立て式の橋などは実用的にも見える。変速ギアがあり、ボールベアリング装置があり、バネで動く自動車もある。ライト兄弟が人類初の飛行機を飛ばしたのは1903年だが、その400年も前に羽ばたき飛行機やグライダー、ヘリコプター、落下傘を設計している。戦車や艦載砲など軍事用のものも多い。写真の馬車には敵の馬を近づけないための回転刃が付けられている。水に係わる物もいくつかあり、水力のこぎり、潜水装置、水上歩行器、ボート、救命浮き袋、水を上に誘導する装置などがあり、日本の「添水」などは訳もなく作ったに違いないと思ったものである。一人の人間がここまで考えられるものだろうかと驚くしかない。まさに天才の仕業である。
模型を飾ったブースのあとにはその手稿が展示されていた。これまた膨大な量である。ここは撮影不可なので見入るしかなかったが、人体図や解剖図などのデッサンは見事なものである。実際に解剖した上でのデッサンであろう。今の人間が描いたのではないだろうかと思うほどに精緻なものであった。
出口の近くにテレビが置かれ、ダヴィンチについてのビデオが流されていた。パイプ椅子に腰を掛け20分ほど見ていたが、いかに創造的で天才的な人であったかを教えてくれていた。1時間もいただろうか、とてもいい時間を過ごした。やはり、芸術に触れるというのは素晴らしいものである。無聊を決め込んでいてはいけない。外に出ようと思った。

ダヴィンチの残した言葉に次のようなものがある。今の私を見透かしたような一言である。
「時々、機会を見つけて外出しなさい。
そして、リラックスしよう。
外から帰ってくると、
あなたの判断はより確かなものになります。
いつも仕事にへばりついていると、
あなたは、判断力を失ってしまいます」
                                 (平成29年作)

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美術の秋

ダヴィンチに触れて美術の秋と知る



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そごう美術館で「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」が開催されていた。期間中、何度も行こうとしたのだが、なぜかタイミングが合わず期間終了間際になってしまった。没後500年記念だという。副題が「天才の『手』から生まれた未来への夢」である。モナリザの製作過程でも見せるのだろうかと、よく調べもせずに出掛けたのだった。
昔、フランスのルーブル美術館で本物の「モナリザ」を見たことがあった。その時の印象は「小さい!」である。広い館内をガイドの後ろに付いて歩きながら、ミロのヴィーナスやニケなどの説明を受け、途轍もなく大きな油絵を何十枚も見た後にようやくその前に到達した時、疲れていたこともあったのだろうが「えぇ~、モナリザってこれっ?」という感じを受けたのだった。意外にも作品の近くまで寄ることが出来、ギリギリまで近づいて見て、その時の一声が「随分と小さいなぁ」である。

デパートのエスカレータで6階フロアに着き、目の前に並べられている安楽椅子の展示販売の脇を通るとエントランスが見えてくる(写真)。いつもこの展示のセンスの良さを思う。「これから芸術作品に触れるぞ」と期待感が高まる一瞬である。コインロッカーに荷物を預け、入場料を支払い、パンフレットを受け取る。
入ってすぐの場所に説明書きがあった。
「〈最後の晩餐〉や〈モナリザ〉の画家として知られているレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)は名画の他に、膨大な量の手書きのメモ(手稿)を遺しました。数十年にわたって書き綴ったその手稿には、機械工学、航空力学、天文学、幾何学、建築、解剖学、自然科学など広範囲にわたる研究がデッサンとともに鏡文字で記されています」
その手稿をもとに模型を作って展示されているというのである。振り返ると何やら木で出来た作品が並べられている。なるほど、ようやく「手」の意味が分かった。手稿の「手」のようである。
場内の照明は少し暗めだった。数人のお客がいて見入っている。「さぁ、見よう」と思った瞬間、突然フラッシュが光った。
「えっ!まずいでしょ」
写真は駄目なはずである。ましてフラッシュなんてと思ったが、あちこちで写真を撮っているのが見えた。
「あれっ、いいのだろうか?」
見ると説明が書かれていて、触れて良い物、悪い物、撮影可の場所などについて書かれている。模型の撮影は許されているようである。ダヴィンチの作品でなく、誰かの製作物だからということだろう。意外な展開になったと思った。
美術館に入って撮影した記憶がない。それならばブログ用に面白そうな物を見つけようと少し目的が変わってしまったようである。そんな楽しみ方があってもよいと思った。
                                 (平成29年作)

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