2017年05月の記事 - ひこばえ
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ひこばえ


2017年05月の記事

風船

キユツキユツと風船の首絞める音



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「ジーコ」こと遠見さんに15年振りにお会いした。昔参加していた集まりに私が行かなくなってから、お会いする機会もなく時間が過ぎてしまっていたのである。
私「いやぁ、久し振りですねぇ。お元気そうで……」
遠見さん「日向さんも元気そうで。少し太ったね(笑)」
私「少しだけです(笑)。まだ、お勤めですよね?」
遠見さん「定年は過ぎたけど、まだ置いてもらっています(笑)」
名刺交換をした。社長になった私の名刺を持っていないという。遠見さんの名刺が振るっていた。
私「ジーコ?これは何ですか?パントマイムですか?」
遠見さん「そう、今これが忙しくてね。あちこち飛び回っているんだよ」
私「昔からやっていましたっけ?」
遠見さん「もう15年になるかなぁ。いろんな場所でやっているので、日向さんの会社でも何かあったら声を掛けてくださいよ」
これが今年2月の出来事である。

倫理法人会で新入会員の歓迎会を行うことになり、何か出し物はないかという話になった。遠見さんを思い出した。
「もしもし、遠見さんですか。日向です。実はお願いしたいことがあります」
二つ返事で了解してくれた。打ち合わせに会社まで来てくれた。
当日は大きな荷物を抱えて、始まる1時間半も前に会場に来てくれた。会場はライブハウスである。控室で着替えをし、化粧をするのに40分も掛かるという。衣装も本格的である。50人ほどの会員が集まり歓迎会が始まった。遠見さんの出番がやってきて、司会者からマイクを渡され、私が遠見さんの紹介をした。
「今日は私の20年来の友人であります遠見さんに来てもらいました。パントマイムを行っていただきます。これを始めたキッカケというのがお孫さんの誕生だったそうです。可愛らしい女の子のおじいちゃんになった時に『女の子は男親を嫌う傾向がある。父親が嫌われるのであれば、おじいちゃんは尚更のこと』そう思った遠見さんは大きくなってからもお孫さんに喜んでもらえるような技を何か身に付けたいと思ったそうです。そこでパントマイムに出会い練習を始めたそうです。先日、私が電話をした時もちょうど野毛の大道芸に出ていた時で芸は本格的なものです。しかも今日は出演料なしでやってくれると言っています。これだけのことをお願いしてお金は要らないと言われて困りました。『それでは』ということで皆さんには投げ銭をお願いすることに致しました。先程、楽屋でそれに使う入れ物はないかと遠見さんに聞きましたところ『あるある』と言ってとても大きな入れ物を預かりました(笑)。ほんの気持ちで結構です。お回しいたしますので、よろしくお願いします」
とても素晴らしいパントマイムを見せていただいた。皿回しやボール、風船などを使った芸もあり客席の心を一瞬でワシ掴みである。時間はたったの10分間だったが、最高の盛り上がりを見せてくれた。
最後にマイクを向けてお孫さんのことを聞いてみた。このゴールデンウィークにも高校生になったお孫さんと二人で東北に出掛け、パントマイムでボランティアをして来るとのこと。お孫さんの心もワシ掴みにして遠見さんの作戦は大成功だったようである。芸名の「ジーコ」はもしかしてお孫さんにそう呼ばせるための名前だったかも知れないと勝手に考えたが、当らずとも遠からずであろう。今度、聞いてみようと思っている。
                                 (平成29年作)

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