2017年05月の記事 - ひこばえ
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ひこばえ


2017年05月の記事

花御堂

みな片手拝みに雨の花御堂



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國王神社を出て延命寺の方へ向かうと「花まつり」の幟が並び、たくさんの参詣人の姿が見られた。車で1、2分の距離である。狭いながらも門前には駐車場が用意され、係員も数名出て整理に当たっていた。境内には屋台も出ていて村人で賑わっていた。その前に訪れたフラダンス会場の賑わいとは別物の、昔ながらの懐かしい賑わいを感じた。駐車して車を出た時に目の前の田圃で花火が揚がった。とても大きな音だった。曇り空に白い煙がポンポンポンといくつも浮かんだ。村を挙げてのお祭りといった感じである。寺はこんもりとした森に囲まれ、その周囲には田圃が広がっている。村の鎮守といった趣である。
この寺は将門の軍事拠点「石井営所」の鬼門除けとして建てられたものだが、天慶3年(940年)に藤原秀郷、平貞盛の軍勢に襲われ焼失している。その際、将門の守り本尊だった薬師如来像は堂から持ち出され、世の中が治まるまでどこかに隠されていたそうである。そののち、将門の子孫にあたる相馬氏により寺は創建されたが、またもや火災に見舞われ本堂も薬師堂も焼失し、今ある山門だけが残ったそうである。山門は茅葺切妻造りの四脚門で、近郊に比類のない造形美を示し、相馬氏の将門に寄せる思いを感じさせるものだという。

門をくぐり石造りの太鼓橋を渡ると花御堂が据えられていた。4月8日はお釈迦様生誕の「花まつり」の日である。参詣の人が手に手に杓を取り甘茶仏に甘茶を掛けていた。カシャカシャと写真を撮り始めた。花御堂の遠景から甘茶仏の接写まで何枚も写していた。写真を上手に撮るコツはたくさん写すことと心得ている。甘茶を掛けている人の背中越しにも写していた。私が写真を撮ろうと構えているのを見て、しばらく手前で待ってくれていた老夫婦がいた。
「あっ、どうぞ、どうぞ、適当に写真を撮っているだけですから、どうぞ」と私。
「爺ばばを撮ってもしょうがあんめぇ(笑)」とお婆さん。
「大丈夫です。手だけ撮っているんですから」
「手だけ?どれ?」
と言うのでこの写真を見せたのである。
「こんな具合に撮っています」と私。
「いやぁ、手だけは見せられねぇ(笑)」
「……」
いやいや、決してモデルになってくれと言っている訳ではありませんと言いたかったのだが、もちろんそんなことは言える訳もない。たまたま目が合ってこんな会話になってしまったが、結局お婆さんと旦那さんは甘茶も掛けずに立ち去ったのだった。たかが写真一枚といっても、人の感じようは様々で心しなければならないと思ったものである。
                                 (平成29年作)

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