2017年05月の記事 - ひこばえ
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ひこばえ


2017年05月の記事

春の虹

騎馬像の春の虹へと駆け出さん



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「それ!」
突如として小次郎は絶叫し、抜きはなった刀を高々とふりかざし馬腹を蹴った。馬はおどろいて前足をあげて、二三度空をかいてもがいたが、その前足をおろすや、疾風のように駆け出した。(海音寺潮五郎「平将門(中)」より)

車で5分ほどの場所に立派なブロンズの騎馬像が立っていた。「ベルフォーレ」という名前の総合文化ホールである。音楽ホールやアトリウム、図書館などの複合施設となっており、その前庭に有無を言わせぬ存在感を放っていた。
初めからここだと分かっていれば、あんなに歩かなくても良かったのにと思いながらも、一目見るや、やはり来てよかったと思った。美しく作るものである。前からも後ろからも、どの方向から見ても美しいと思った。写真は何枚も撮った。その中から近代的な建物を背景に収めたこの一枚が最も美しく思えた(写真)。
以前、流鏑馬神事を見学した時、目の前を勢いよく駆け抜けていく馬の迫力に圧倒されたことがあったが、戦いの場で馬に乗る者と乗らない者の差は途轍もなく大きいに違いない。馬上の将門像を仰ぎ見ながら、振り下ろされる刀剣の鋭さや引き絞る弓の力強さを想像すると同時に、それに立ち向かう雑兵の心持ちも分かるような気がしたのは気のせいだっただろうか。

騎馬像を見たあと、すぐに「國王神社」へと向かった。将門終焉の地である。神社はそこにひっそりと佇んでいた。
将門戦死の際、その難を逃れ奥州にて隠棲していた将門の三女「如蔵尼」が父の33回忌にあたる天禄3年(972年)にこの地に戻り創建した神社である。付近の山林にて霊木を得て、将門の像を刻み、祠を建て安置したのが神社の始まりとされる。一言主神社などとは比べようもないほどの小さな神社であるが、古びた社殿と境内の静かな佇まいに尼の想いが見えるような気がしたものである。
                                 (平成29年作)

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