2017年04月の記事 - ひこばえ
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ひこばえ


2017年04月の記事

田楽

田楽のたちまち串の山と化し



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この旅の目的はもちろん友人から依頼された講演である。しかし、こうして文章を書いてみると、講演に費やした労力よりも芭蕉に費やした方が大きかったことが分かる。「芭蕉紀行文集」を繙き、服部土芳を調べ、「三冊子」など取り寄せた分には講演で話した40分より遥かに多くの時間を費やしている。芭蕉を「風狂人」という。広辞苑で「風狂」を引いてみると「風雅に徹したこと」と書かれているが、もう一つ「気ちがい。狂気」とも書かれている。芭蕉はもちろん前者であるが、私の場合は後者に近いものがあるようで、何事も程ほどにしておかなければ「紙一重」と言われることとなりそうである。

「蓑虫庵」を後にして友人の会社を訪問し工場見学などをさせてもらった。ホテルにチェックインし、すぐさま夕食会場へと向かった。私は友人と一緒に今回主催の倫理法人会の幹部の人達と会食することとなった。創業200年の店で伊賀の郷土料理だという豆腐田楽をいただいた。串に差された田楽の数16個。豆腐好きでもない者には少し多すぎるようにも見えたが、伊賀の人達は当たり前のように平らげていく。私一人が食べ残すわけにもいかないので全て食べ切ったが、その味噌の甘かったこと。一年分の豆腐を食べたような気がしたものである。あとで聞くとその店は会のメンバーの方のお店だという。翌朝、その女将さんにご挨拶しお礼を申し上げたことは言うまでもない。片や我が工場長は友人の会社の幹部の方々と一緒に伊賀牛の焼肉を食べに出掛けたとか。芭蕉翁が田楽で、門人曽良が伊賀牛である。
「そらー、違い過ぎだろ!」などと洒落てみた所で詮無いことである。食べた田楽で一句詠んでみた。
講演は無事に終わった。聞きに来ていただいた50名ほどの皆さんには喜んでもらえたようで、友人からもお礼を言われ役目を果すことが出来た。伊賀まで行った甲斐があったというものである。

後日談がある。会社に伊賀市の隣の名張市出身の男性がいるので話を聞いてみた。
「伊賀牛ですか?とんでもありません。あんな高級な物、食べたこともありません。まさに高嶺の花ですよ。一度は食べてみたいものです。豆腐田楽ですか?聞いたことはあります。昔からの物ではないと思います。最近、忍者ブームで賑わっていますから、それに便乗して昔風の豆腐を売り出しているのだと思います。大したものじゃないと思います」
                                 (平成29年作)

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