2013年07月の記事 - ひこばえ
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ひこばえ


2013年07月の記事

青バナナ

ワニ園とまだ実の青きバナナ園







なっちゃんのもう一人の祖父、愛称ジージ、すなわち、私の娘婿の父である。
娘達の結婚以来のお付き合いであるが、特になっちゃんが生まれてからというもの、
ことあるたびにお会いするようになり、いつもいつも楽しい一時を過ごさせていただいた。
食事はもちろん、カラオケに行ったり、旅行に行ったりと思い出は数知れない。

この句は、なっちゃんの妹みやちゃんの満二歳の誕生日に伊豆の熱川温泉に旅した時のもの。
バナナの季語は夏。そして、その旅は一月、冬。
夏が来るまで温めておこうと、手帳にメモしておいた句である。

ジージが癌の宣告を受けたのが、その前年の一月。
ちょうど一年を経て、体調もまだそれほど悪くなかった頃で、伊豆の旅を楽しんだものだが、
それが私達にとっては、ジージと出掛けた最後の旅行となってしまった。
なっちゃん、みやちゃんという目に入れても痛くない程に可愛がっていた孫達と、
いつまで一緒にいられるだろうかと考えながらの旅だったに違いない。
寡黙ながらも、心やさしい人柄で、「なぜこのようにいい人から先に不幸に見舞われてしまうのか」と、
運命のつれなさを嘆かずにはいられなかったものである。
その年の8月18日、享年59才の若さで亡くなられた。

明日7月28日、その三回忌の法要が営まれる。
                                    (平成23年作)



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風死す

風死して生くるものみな黙の中



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平成7年から、会社の「慶弔記録帳」を記入している。
前任者は当時の社長であり、その社長が亡くなられてから私が引き継いだのである。
ページを捲ると、その間のさまざまな慶弔が記録されている。
祝い事や餞別、お見舞いなどもあるが、圧倒的に多いのはやはり弔事である。
従業員であり、そのご家族であり、取引先、関係先の方々でありと、そこには様々な人の名が記されている。
そのたびに、葬儀の手伝いをしたり、参列をしたりと、諸々の対応を行ってきた。
会社の歴史の知られざる一面と言えるかも知れない。

「風死す」とは、夏の暑さの中、風がはたと止み、耐え難いような暑さとなる状態を言う。
残された者たちが、そんな暑さの中をじっと耐えているという句である。
黙っていることを「黙(もだ)」という。
                                   (平成22年作)


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水遊び

小魚の群れは深みへ水遊び



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葉山へ遊びに行く。泳ぐにはまだ早いので、川で遊ぶことにする。
眺めてみると、小魚が群れをなして泳いでいる。
どう見ても、簡単にすくえそうである。
「金魚すくいより、全然簡単そう」と、なっちゃん。
ところが、いざやってみると小魚の逃げ足は速い。
初めは濡れないようにと足元を気遣っていたが、一度靴を濡らしたあたりから大胆になり、
10分も経つと膝まで入り始め、最後は川の中程まで入り込んでいた。

その日のなっちゃんの釣果、メダカ1匹。
「ねぇねぇ、今度はもっと大きな網にしようよ」
網のせいにしている(笑)。
                               (平成25年作)



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天瓜粉

天瓜粉まみれの君が小ささよ



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七年前の七月のその日、句会のみんなで湯河原へ一泊旅行に出掛けていた。
幕山公園、万葉公園などを見て歩き、句会のメンバーの計らいで奥湯河原の旅館に宿泊していた。
句会も終わり、夕食から宴会へと盛り上がる中、私の携帯電話にメールが届いた。
生まれるかもしれない、と言われ待っていた初孫誕生の知らせである。
「生まれた!」
私がそう叫ぶとみんながその写真に集まってきてくれた。
「かわいい」「美人だ」「本当にきれいになるよ」
口々に褒め称えてくれる。みんな、いい人達なのだ。
お愛想とは知りつつも、とてもうれしく
「あまり、美人美人と言わないでください。僕もそう思います(笑)」と、喜びを爆発させたものだった。
翌日は吟行もそこそこに、飛ぶようにして帰ったことは言うまでもない。
こうも簡単に仲間を捨てられるものかと、みんなに冷やかされたものである。

当時の携帯の写真の画質は粗い。それでも、待ち受け画面にして何百回、何千回と見たこの写真。
思い出の一枚であるだけに、見づらいことを承知でここに掲載する。

7月16日、その初孫なっちゃんの満七歳の誕生日。みんなが言った通り、もちろん美人である。
                                    (平成18年作)



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ビール

目が合つてビールの試飲勧めらる




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休みの日など、妻の買い物に付き合うことがある。
ほとんど、運転手の役であり、荷物運びの役である。
「何か食べたいもの、ある?」と聞かれても、あまり思い浮かぶ方でもないので、
この頃は聞かれもしなくなった。
妻の行くまま、付かず離れず、スーパーやら百貨店の中を付いて歩くばかりである。

たまに、試飲・試食コーナーの前を通ることがある。
口にすると買わねばならぬと思う方なので、ほとんど食べることはないが、
相手が妙齢とあらば話は違う。
重いビールケースを抱えて帰ることとなる。
                               (平成14年作)



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