2013年05月の記事 - ひこばえ
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ひこばえ


2013年05月の記事

竜天に登る

竜天に湯屋の天窓より登る



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(承前)「竜天に登る」という季語がある。
春の精気に乗じて竜が昇天するという中国的幻想から来た季語だ。
湯に浸りながら、天井を仰いでいると、
天窓から流れ出る湯気の様子が、まさに竜のように見えてくる。

湯上がりにコーヒー牛乳を飲みながら、風に当たる。
体重計に乗ってみたりする。
来ようと思えばいつでも来れる場所なのに、なぜか去りがたいのだ。
番台にお礼を言って外に出る。
もしかして、短い時間ではあったが、昭和という時代にタイムスリップしてきたのかも知れない。
                               (平成25年作)


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昭和より今へ湯屋の灯おぼろの灯


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昔ながらの銭湯に行ってみた。
JR新杉田駅の近くにある「梅の湯」さんだ。
入り口で木の下足札を取り、番台へ。
入浴料は大人450円、中人180円、小人80円。中人とは面白い。
入浴心得などを読みながら、服を脱ぐ。
正面に富士山のペンキ絵が美しい。
身体を洗い、浴槽へ。熱い。
温度計を見るが表示がない。42℃はありそうだ。
ケロリンの黄色い湯桶も健在だ。

結婚以来、来たことがなかったので実に35年ぶりの銭湯ということになる。
35年をひとっ飛びした、59才の自分がいた。(続く)
                         (平成25年作)


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草茂る

貝塚のありし跡とや草茂る



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横浜市磯子区岡村の三殿台遺跡を訪ねてみた。
入り口でパンフレットを受け取ると、すぐにボランティアガイドの方が来てくれて、
施設の説明や資料館の中の案内をしてくれた。
同じ場所に時代の違う、縄文、弥生、古墳のそれぞれの暮らしが重なっていた。
「それにしても、この高台に貝塚とは」などと驚きつつ、
それを繙く発掘調査当時の話などを面白く聞くことができた。
復元された竪穴式住居や貝塚跡を見学ながら、はるか悠久の昔に思いを馳せた。
                             (平成24年作)


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草取り

草取りの伸びばかりして捗らず   



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上中里団地では毎月第三日曜日に全世帯総出の草取り作業が行われていた。
芝生はもちろん、花壇や植込みの回りなどの雑草を抜いていくのだが、
1時間もすると大量の雑草が、集積所に山積みされることとなる。
「緑の上中里団地」と言われるのに相応しい、団地挙げての作業であった。

もちろん私も参加するのだが、早朝ということもあってか、
それほど楽しかったという記憶がない。どちらかというと、苦手な方であった。
草取りと聞けば当時を思い出し、つい、この句が口を衝いて出るということになる。
                              (平成10年作)


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畳目に逃れし蟻を掃きこぼす   



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この4月から、NHKで「団地ともお」というアニメが始まった。
先日、初めて観てみたが、これがなかなか面白い。
一人暮らしの老人の単調な一日をテーマとしたものだったが、
大いに笑わせてもらったものだ。

この句をつくった当時、私達家族はアニメのモデルとなった
磯子区の上中里団地に住んでいた。
三階の部屋だったにも拘わらず、蟻が這い上がってくるような
緑に囲まれた自然豊かな場所であった。
楽しかったあの頃を思い出す。
                         (平成9年作)


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ひこばえ

ひこばえや殊に小さき妻の靴   







会社で製品開発チームを立ち上げた時、チーム名を「ひこばえ」とした。
太い幹からいくつもの若芽が出てくるように、良い製品をたくさん作っていこうという思いを込めての命名であった。

この句は二人の娘が、一人は短大、一人は高校へと成長していく中で、それまで育てあげてくれた妻への感謝を込めて作った一句である。ブログを始めるに当たり、その名を「ひこばえ」とすることに迷いはなかった。私の俳句の師である道川虹洋先生にいい句だと褒めていただいた句であり、自分でもとても気に入っている句だからである。
このブログ、果たしてどこまで続けていけるかは判らないが、自分の作ってきた句、またこれからも作っていくであろう句について、あれこれ綴っていければ楽しいだろうと思い、スタートすることにする。
                                 (平成10年作)


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