人事 - ひこばえ
background movie

ひこばえ


人事 カテゴリーの記事

四月馬鹿

空手形切つて溜め息四月馬鹿



FullSizeR_convert_20170404052535.jpg



借りた日の土曜日は会社があり、習字があり、家族で食事に出掛ける予定があったりしたので読む暇はなかったが、翌日曜日は目が覚めるとすぐに読み始めていた。プロローグでいきなり強姦シーンである。「相変わらずだなぁ、田中さん」と思いながらもストーリーの展開の速さに引き込まれていく。途中、用事があって出掛けたりしながらも夜中には一巻読み終えていた。
月曜日は祭日だったので火曜日に田中さんにメールを送った。
「お早うございます。このたびはまたまた面白い本をご紹介くださいまして有難うございました。早速読んでみましたが『さすが、船戸与一!』でした。息もつかさぬ面白さで一気に読み終えました。すぐに次が読めないじれったさを味わっております。次回お会いするまでが長そうです」
折り返しメールが返ってきた。
「日向さんは私にとって大切な書友(読書を共にする友人)です。まずは船戸与一の男のロマンの世界を共有しましょう。ありがとう」

1週空けて4月1日(土)、田中さんはやってきた。
「面白かったでしょう。いやぁ、日向さんは最高だよ。日向さんと本の面白さを共有できるというのはこの上ない喜びだよ。ありがとう、ありがとう。重くて全部は持ってこられなかったけど、まずは4冊。あの4兄弟に自分を重ね合わせて読んでいると、まさに歴史のど真中にいるような錯覚に捉われるよ。これぞ血沸き肉躍る世界っていう感じだよね。返さなくていいからね。読み終えたら次に日向さんがいいと思う人に譲ってあげてよ。きっとその人も喜ぶに違いないから(笑)」
朝からテンションが高い。しかも笑顔が素晴らしい。豊かな人生を送っている人であることが分かる。一緒にいてとても心地良い。私もこういう人物になりたいと心の底から思う。
それにしてもあと8巻……フーと溜め息を付きつつ、満州は遠いなぁとも思う(笑)。
                                 (平成29年作)

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

田楽

田楽のたちまち串の山と化し



20170314-2_convert_20170314220253.jpg



この旅の目的はもちろん友人から依頼された講演である。しかし、こうして文章を書いてみると、講演に費やした労力よりも芭蕉に費やした方が大きかったことが分かる。「芭蕉紀行文集」を繙き、服部土芳を調べ、「三冊子」など取り寄せた分には講演で話した40分より遥かに多くの時間を費やしている。芭蕉を「風狂人」という。広辞苑で「風狂」を引いてみると「風雅に徹したこと」と書かれているが、もう一つ「気ちがい。狂気」とも書かれている。芭蕉はもちろん前者であるが、私の場合は後者に近いものがあるようで、何事も程ほどにしておかなければ「紙一重」と言われることとなりそうである。

「蓑虫庵」を後にして友人の会社を訪問し工場見学などをさせてもらった。ホテルにチェックインし、すぐさま夕食会場へと向かった。私は友人と一緒に今回主催の倫理法人会の幹部の人達と会食することとなった。創業200年の店で伊賀の郷土料理だという豆腐田楽をいただいた。串に差された田楽の数16個。豆腐好きでもない者には少し多すぎるようにも見えたが、伊賀の人達は当たり前のように平らげていく。私一人が食べ残すわけにもいかないので全て食べ切ったが、その味噌の甘かったこと。一年分の豆腐を食べたような気がしたものである。あとで聞くとその店は会のメンバーの方のお店だという。翌朝、その女将さんにご挨拶しお礼を申し上げたことは言うまでもない。片や我が工場長は友人の会社の幹部の方々と一緒に伊賀牛の焼肉を食べに出掛けたとか。芭蕉翁が田楽で、門人曽良が伊賀牛である。
「そらー、違い過ぎだろ!」などと洒落てみた所で詮無いことである。食べた田楽で一句詠んでみた。
講演は無事に終わった。聞きに来ていただいた50名ほどの皆さんには喜んでもらえたようで、友人からもお礼を言われ役目を果すことが出来た。伊賀まで行った甲斐があったというものである。

後日談がある。会社に伊賀市の隣の名張市出身の男性がいるので話を聞いてみた。
「伊賀牛ですか?とんでもありません。あんな高級な物、食べたこともありません。まさに高嶺の花ですよ。一度は食べてみたいものです。豆腐田楽ですか?聞いたことはあります。昔からの物ではないと思います。最近、忍者ブームで賑わっていますから、それに便乗して昔風の豆腐を売り出しているのだと思います。大したものじゃないと思います」
                                 (平成29年作)

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

春の旅

まつろはぬ熊襲の国へ春の旅



IMG_2084_convert_20170220222349.jpg



昨年に引き続き、取引先の信用金庫が主催する「まなびの旅」に夫婦で参加してきた。今回は鹿児島の指宿温泉、霧島温泉を巡る旅である。その所々で「まなび」があるに違いない。まずは下調べとして「せごどん」こと西郷隆盛についての資料を漁っておいた。来年の大河ドラマである。地元は大いに盛り上がっているに違いない。池波正太郎や海音寺潮五郎などの本を読み、史跡などについても調べておいた。旅行に出掛ける前のいつもの私の行動パターンである。しかし、出掛けに行程表を見て驚いた。その中に「せごどん」に係わる場所がないのである。
「えっー!」
生家にも城山にも行かないというのである。辛うじて島津家の別邸「仙巌園」には行くようであるが、あとは幕末とは無縁の旅である。遥か以前に送られてきていた行程表をよく読みもしないで勝手に「鹿児島イコール西郷隆盛」と思い込んでしまった私も馬鹿であるが、「もう少しやりようがあっただろう……」と文句も言いたくなるのも分かろうというものである。大きく溜め息を付いた。しかもそれに加えて今回の旅に友人の落合社長ご夫妻が参加しないというのである。「どうしたのだろう、夫婦仲に何か問題でも生じたのだろうか?」と心配にもなってくる。品行方正な社長なので「浮気でもして……」などという推察は余計なことではあるが、「せごどん」といい、社長不参加といい、少し出鼻を挫かれての旅行となってしまった。しかし折角の鹿児島である。楽しんで来るしかない。

鹿児島に到着し初めに訪ねたのが仙巌園である。向かう車中でバスガイドさんが「三つのへ」のことを教えてくれた。
「鹿児島の方言には『へ』と発音するもの三つあります。一つ目は桜島が噴火した時に降ってくる灰のことです。灰のことを『へ』と発音します。二つ目はブンブン飛んでくる蠅です。蠅のことも『へ』と言います。そして三つ目がオナラです。これは全国共通で『へ』と言っているようです。『へ』(灰)が降っでけだ、『へ』(蠅)が飛んじょ、『へ』(屁)をひった、というように使います。これを鹿児島弁の『三つのへ』と言い、『なるほど、へぇー』とお客様が言いますと、これが四つ目の『へ』ということになります(笑)」
バスの中で笑い声が起こったかどうかは忘れたが、「なるほど」と勉強させられたことは確かである。さすがに「まなびの旅」だけのことはある。
(注)記紀神話などで国の平定事業に逆らい、抵抗し帰順しない者を「まつろわぬ者」と表現した。その「まつろわぬ熊襲の国」にのんびりと春の旅に出掛けようというのである。
                                 (平成29年作)

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

湯気立てる

湯気立ててゐるは小さな機械なり



IMG_1568_convert_20170116050736.jpg



リーダーの他にあと5名のメンバーがいた。年齢も出身も職業もみなバラバラである。共通点は倫理法人会に加入しているということだろうが、入会してまだ1か月という人もいた。税理士の先生である。「入会してすぐに研修と言われましたので何が何やらさっぱり分からずに参加しましたが、皆さんいい人ばかりなので安心しました」と超優等生的発言をする。1か月しか経っていないのに来る方も来る方だが、行かせる方も凄いものである。倫理に深く浸透している人達なのだろう。また今回が7回目というベテランもいた。しかも一番遠い広島からの参加である。「何度来ても感動させられます。ここに来るといつも新鮮な学びをします」といい、最長老でありながらとても控えめな物腰である。風呂場で剃刀を使い見事なスキンヘッドに磨きを掛けていたのには驚かされた。現在倫理法人会単会の会長をしている社長さんも参加していた。さすがに人当たりがよく会運営にも長けていそうな人柄に見えた。積極的に全員に話し掛けていい雰囲気を作り出してくれていた。苦労は買ってでもするというタイプである。もう一人、会計士の先生がいた。「よくこの人が税理士の勉強をしたものだなぁ」が第一印象である。およそ勉強しそうでない顔をしている。顔で勉強するのではないことを教えてくれた。終始和やかで皆を明るく笑わせてくれるムードメーカー的存在だった。もう一人はパン屋の専務さんである。長野県では有名なパン屋さんのようだが、次期社長ということで倫理を学び、いずれ来るその時に備えようというのであろう。寝る時にヘッドホンを掛けていたのだが、何を聴いているのかと思えば、「ももいろクローバーZ」だそうである。「ももクロ、最高っス」と一人悦に入っていた。まだ当分社長の座は回ってこないような気がした(笑)。
このメンバーで朝から晩まで行動を一緒にするのである。違う場所はトイレくらいなもので、ドラゴンクエストのゲームさながらリーダーを先頭にぞろぞろと付いて歩き、ぞろぞろと部屋に戻って来るのである。

写真は就寝時の様子である。10時就寝と決まっていたので風呂に入ったり会話をしているうちに、あっという間に時間が来てしまった。エアコンをつけて寝るかどうかで意見が分かれたようだったが、リーダーが上手く纏めていた。加湿器が一台あったが部屋の隅にあり、あまり効果は期待できない。電気を消してからのことは全く覚えていない。横になると5分で寝る性質なのである。
                                 (平成29年作)

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

押しくら饅頭

人の世は押しくら饅頭にも似たり



IMG_1754_convert_20170128131613.jpg



皆さん、お早うございます。1月7日(土)参加してきました富士研の報告をさせていただきます。出掛けた日は当会モーニングセミナーの日でした。朝、A子さんから少しお小言をいただきました。初めて参加してくれた人や他会からの参加者の「おもてなし」が出来ていないというものでした。A子さんが気付いてくれてコートを掛ける場所や前の方の席までご案内してくれたそうですが、いつも出来ていることがその時はついウッカリしてしまったようです。専任幹事である私に一言指摘がありました。そのあと、モーニングセミナーが終わり、富士研へ出発しようとした時です。今度はB男さんが重要な相談があるとのことで私を呼び止めます。何事かと思うと、先程のA子さんが言ったことをそのまま繰り返します。「ああ、それは先程A子さんから聞きましたので大丈夫です。来週にでも皆さんにお話しします」と答えました。A子さんは私にだけでなく誰にでも言っているのだろうかと思いました。そのA子さんがまた私に近づいてきて、同じ話をしようとします。「また同じ話?一度聞いたら分かるので大丈夫ですよ」少し語調がきつくなっていたかも知れません。さすがに同じ話を3回も聞かされると、折角のいいアドバイスも違う意味に聞こえてきます。私の中に「責め心」のようなものが起きてしまったようにも思います。「来週みんなに話をしてお出迎えの在り方を見直してもらおう」と思いましたが、心の奥にちょっとした棘が刺さったような感じが残りました。
富士研に到着し2時からオリエンテーションが始まりました。冒頭、講師の先生が話してくれたのが「要物必与」です。「必要な物が必要な時に必要な形で与えられる」です。そしてその次の話が「変わる人」「変われない人」です。素直な心で相手を受け入れる。受け入れる心さえあれば、何でも解決できる。それが出来る人が「変われる人」であり「成長する人」であるという話です。話を聞いた時、朝の出来事が思い出されました。あの時に浮かんだ「責め心」を思いました。そして、心の奥の棘がストンと取れた気がしました。「同じ話を3回もしなくても分かるよ」と思うべきではなかったのです。「ありがとう。気付かなかった。いいアドバイスをありがとう。すぐに改めるよう、みんなに声を掛けます」と言えば良かったのです。
富士研ではたくさんの学びと感動、そしてチームワークの素晴らしさを学びました。おそらく教えられたものの10分の1も身に付いていないとは思いますが、この経験を日常に役立てていければと考えております。まだ参加されていない方には是非お勧めいたします。貴重な体験をさせていただき有難うございました。
                                 (平成29年作)

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
フリーエリア