宗教 - ひこばえ
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日向 亮司

Author:日向 亮司
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家康忌

湯けむりの熱海本陣家康忌



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シャブシャブ屋を出てブラブラ散歩しながら次に向かったのが「大湯」という共同湯である。ここは「徳川家康公ゆかりの湯」ということになっている。日光東照宮を参拝してきたばかりなので絶対に外せない見学スポットなのである。銭湯の周囲の塀に看板が掲げられていて「熱海本陣跡、徳川家康の熱海入湯」の文章が長々と綴られていた(写真)。それによると家康がこの本陣跡の湯に浸かったのは天下を取る前の慶長2年(1597年)3月と天下を取った後の慶長9年(1604年)3月の2回である。2回目には子供2人を連れて7日間湯治したと書かれている。看板の最後に「出世の湯」とあるのも頷ける話である。
隣の湯前神社にお参りをして、すぐ横にある間歇泉を見たりしていたが、ホテルのチェックインまでは1時間ほど時間があった。
妻「あとはどこか見たい所はないの?」
私「折角だからこの大湯に入ってみたい」
妻「これからホテルに行くというのに?」
娘「いいじゃない。入ろうよ。私も入りたい」
私が何か言うと軽くあしらわれる傾向があるが、娘が言うとすぐに頷くのだから困ったものである(笑)。
タオルを買って入浴料を支払い男湯と女湯に別れた。入ってすぐに思ったのが<もう少し家康公を意識した造りにしておけばいいのに……>である。所詮、昭和になってからの建物である。熱海本陣の風情などは望めるはずもないが、もう少しやりようがあるようにも思えた。普通の脱衣場で裸になり、普通の洗い場で身体を洗い、普通の風呂桶に身を沈めた。天井もただの共同湯の天井である。湯船の縁に頭を乗せてぼんやりと天井を眺めていた。
「春の夜の夢さへ波の枕哉」 
外の看板に書かれていた家康公が詠んだという連歌の発句である(「曙ちかくかすむ江の舟」「一村の雲にわかるる雁鳴きて」と続く)。読んだ瞬間は意味が分からなかった。<波の枕って何だろう?>である。しかし、すぐにスマホで<波枕>を検索すると<船中で旅寝をすること。船路の旅>と出た。<波を枕に寝る>というところから来た意味と書かれていた。<なるほど、なるほど、夢を見ながらも来し方を「旅」と見ているんだなぁ>と理解した。そしてすぐに東照宮の常世国に掲げられた「ミカン」と「鶴」と「波」を思い浮かべた(5月13日、ひこばえ「夏蜜柑」)。
隣に浸かっていた人が立ち上がったので寝ていた私の頭に湯が波立ってきた。
<波の枕かぁ……>
                                 (令和元年作)




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家康忌

重き荷をときには解きて家康忌



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新杉田駅前に大型バスが停車していて到着した順に乗り込んでいく。席は好きな所に座ってよい。案内では7時30分集合となっており、スケジュール表の出発時刻は8時00分となっている。この30分の違いは何だろう。参加者25名のうち24名は7時半までに到着したが、1名だけは8時ギリギリの到着となった。
「8時の出発ですよねぇ」
一人遅れたことを気にしたようであるが、バスが動き出せばそれまでの話である。すぐに飲み物が配られツマミも用意され乾杯となる。朝のビールの美味さは格別である。一人2本までと言われていたが何本飲んだか分からなくなる人も現れて、一気に車内は笑い声に包まれていく。
今回はたまたま隣の席に人がいなかったので、ガイドさんの話を聞いているうちに眠たくなってしまった。日光に到着する手前で目が覚めた。通路を挟んで隣の女性が声を掛けてきた。
「日向さん、よくお休みでしたね(笑)」
「そんなに寝てましたか。5分くらいかと思いましたが(笑)」
「お酒を召し上がると、眠たくなりますもんねぇ(笑)」
「今月、会社に新入社員の女性が入ってきました」
「えっ???」
「彼女に私が言ったことは、私が寝ているように見える時があるけれど、それは寝ているんじゃなくて考えている時だからねと。特に昼飯のあとなんかはよく考える時間にしているので、決して寝ているなんて勘違いしないようにと」
「面白い(笑)」

東照宮に到着した。バスは一般の駐車場ではなく特別の駐車場まで進んで行った。添乗員の説明では今回の参拝は特別参拝でお土産付きだという。確かに到着した場所には他のバスもなく、神主の姿をした男性が出迎えてくれた。
「ようこそお参りくださいまして有難うございます。今日はこれから皆さんに特別なコースで見学していただきます。一回りしていただいたあと、直会の席もご用意させていただいております」
世の中にそうそう特別なものがある訳ではない。ましてや我々一般人が特別な扱いを受けるというのだから端から期待はしていない。おそらく「特別」と称する一般的なコースだろうと思いながら、案内役の女性のあとを付いて行った。人の通らないような庭先を抜けて広場に出た(写真)。五重塔が正面に見え、石鳥居も見える。
「最初に見学していただく五重塔は今から200年前に再建されたものですが、現在の東京スカイツリーと同じ免震構造が施されています。心棒が10センチほど宙に浮いている構造です。今回、特別に中が公開されています。拝観料が別に必要となります。300円です。ご希望の方は私と一緒にお進み下さい」
<出たぁー!特別だぁー>
全員が入ったかどうかは確認していない(笑)。
(注)家康の命日は陰暦4月17日である。新暦5月21日にあたる。
                                 (平成31年作)




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右府の忌

右府の忌の激しき雨となりにけり



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蕎麦屋から戻ると会場は相当な数で埋まっていた。正式には104名の参加だったようである。私が取っておいた席の隣に男性が座っていた。70代後半とお見受けした。
男性「投句は済ませましたか?」
私「先程ここに来た時に出しておきました」
男性「ここに載ってますか?」
私「ん、なんでしょう?」
男性「事前に投句したものです」
私「ああ、私は出していません。今日のこの場所が初めてです」
この実朝忌俳句大会は事前に投句したものの審査発表と当日投句するものの審査の2種類があるようで、男性は前者のことを言っているのである。結果を一覧表にした紙を見せてくれた。
私「失礼ですが、こちらに選ばれているんですか?」
男性「はい、これです。鎌倉同人会賞というのに選ばれました」
私「おお、それは素晴らしい。今日はどちらからですか?」
男性「東京です」
私「それはそれは。遠くからご苦労様です(笑)」

しばらくして案内があり、これから近くにある白旗神社に参拝に行くという。源頼朝と実朝を祀っている神社である。式次第に「白旗神社社前祭」と書かれていた(写真)。
「雨が降っていますので無理をしないでいいですよ。20分程で戻りますので参加されない方はここでお待ちください」
雨の中を歩いて社前祭に参加してきた。立派な社殿の神社だった。向拝の下に参加した人が全員入れたので30名くらいだったかも知れない。前列に椅子が用意され、鎌倉同人会の会長さん、当日の講師マブソン青眼氏、それにその日の選者を務める宮坂静生氏、松尾隆信氏、松田美子氏、山川幸子氏の6名が腰を掛けて並んだ。私はその向かい側に立っている。宮坂氏が隣の松尾氏に話し掛けているのが聞こえた。
宮坂氏「今日はこの天気だというのに雨の句が少なかったですねぇ」
松尾氏「そうですね。もう少し、出ても良かったですね」
宮坂氏「中にはいい句もありましたが、意外でした」
選句を終えての感想らしい。<雨の句が少ない>これは104名が当日詠んだのではなく、事前に作ってきた句を提出したからだろう。<少ないけれどいい句もあった>その一言で、もしかして宮坂という人は私の白梅の句を選んだのではないだろうかと考えた。考えれば考えるほどそう思えて来て、私の妄想は次第に確信に変わっていくのである。この自信はどこから来るのだろう。俳句というものは恐ろしいものである。全て自分を中心に物事を考えていく(笑)。
                                 (平成31年作)




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実朝忌

白梅を散らして雨の実朝忌



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他人の俳句の出来不出来を云々している場合ではない。翌日の3月3日(日)は鎌倉八幡宮で行われる「実朝忌俳句大会」に参加しようと思っていたので、そこに出す俳句を考えなければならなかったのである。
昨年の3月3日は横須賀で行われた「雛流し」を見に出掛けている。倫理法人会のモーニングセミナーで会長退任の挨拶をしたあとだったので忘れられない日となっている。今年はどうしようかとインターネットで調べているうちにこの「実朝忌俳句大会」を知り、事前の参加申し込みも必要ないようなのでブラリと出掛けてみることにしたのである。
11時受付開始、午後1時大会スタートである。家を10時に出た。
妻「随分早いわね。早過ぎるんじゃない?」
私「ううん、大丈夫。早目に行って下見したいから」
俳句はその場で考えるのが一番である。いくら頭で考えても、その場で見たり感じたりしたものには敵わない。私の俳句の師である道川虹洋先生がいつも言っていたことである。もちろん推敲も大切だが、それ以上に何を詠むかが大切である。吟行の意味はそこにあるようである。事前に考えた句も何句か書き留めていたが、やはりその日その時の句を一つ作りたかったのである。車は前回、腹切りやぐらを訪ねた時に使った駐車場に停めた。八幡宮までは歩いて10分ほどなので、まずは会場まで歩いてみることにした。10時半、吟行スタートである。
その日は終日雨である。雨の句を詠みたいと思った。「雨の実朝忌」のフレーズがすぐに浮かぶ。となると、その上に乗せる上五と中七の4文字を考えればいいことになる。駐車場を出てすぐに白梅が咲いていた。雨の中でとても清楚に見えた。殺された源実朝と白梅が合うかどうかが問題だが、いい取り合わせのように思えた。傘を差して歩きながら「白梅、白梅、白梅……」とつぶやいていた。「白梅をけぶらせ」「白梅をふるわせ」「白梅を濡らして」「白梅を揺らして」白梅をどうしたいのかが問題である。

八幡宮の参道を進み、俳句会場の場所を確認し、石段を上って本殿にお参りした。戻った場所、会場の前に白梅が咲いていた(写真)。雨に打たれて散っているものもあった。「白梅を散らして」が口を衝いて出た。実朝が殺された場所のすぐそばで見つけた「散らして」の一句である。「これでいい」と思った。
会場に入って受付をした。参加費1000円を払い、住所、氏名を記載し、投句用紙をもらった。会場にはすでに大勢の人が集まっていて、おにぎりを食べたり話し込んだりしていた。まだ11時半である。用意しておいた一句と「散らして」の一句を書き添えて投句を済ませた。開始まで随分と時間があるので蕎麦でも食べて来ようと思い、大鳥居まで戻ることにした。
                                 (平成31年作)




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南国忌

石油ストーブ寄進すとあり南国忌



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知った顔はないかと見渡すと市会議員や県会議員の顔が見えた。金沢区選出議員には列席必須の催し物のようである。私が探していたのは、直木三十五が建てた富岡の別荘にかつて住んでいた知人の会長さんである。このことは以前のブログに書いた(平成29年12月29日、ひこばえ「冬ぬくし」)。いろいろと話を聞かせてもらったので、南国忌にも来ているかと思って探したのだがその時点ではまだ見えなかった。始まるまで15分ほどあったので、本堂内の写真をあちこちと撮らしてもらったあと、受付でもらった会報を読んでみることにした。昨年の講話内容である。講師は菊池寛のお孫さんである。菊池家のルーツから始まり、文藝春秋を創設し、芥川賞、直木賞を設けるところまで書かれていた。「マント事件」というのが書かれていて面白かったのであらましを書いておこう。兄が出してくれたお金で東京帝国大学(今の東大)に入った菊池寛だが、同級生の頼みを聞いて大変な目に遭う話である。

友人の佐野文夫が倉田百三の妹の艶子さんと恋仲となり、何度かデートをするうちにお金に窮するようになる。さてどうしたものか。困った佐野は一計を案じる。すなわち下級生のマントを「盗む」のである。盗んだマントは自分では行かずに「おい、菊池、これ、質屋で金にして来てくれよ」と頼んだものである。頼まれた菊池は質屋に行き、お金を作ってきて佐野に渡す。佐野はそのお金でまんまとデートを楽しむが、すぐにその盗みが発覚することになる。帝大は厳しい処分をしてくる。佐野は「な、頼むからお前がやったことにしてくれ」と懇願し、盗んだでもなくマントを質に入れに行っただけの菊池が退学処分になるのである。全くの濡れ衣で退学となった菊池だが、これも良くしたもので、一部始終を知った別の友人が自分の母親に事情を話し、その父親からお金を出してもらい、菊池が京都帝大に入る費用とその後の学費全ての面倒を見てくれることになるのである。友人の父親が銀行の頭取だったというのも凄い話だが、東大を退学してすぐに京大に入るという菊池もまた凄い人である。
当日の講話をテープに収め、後日原稿にしたようであるが、菊池夏樹氏の楽しそうな話しぶりが伝わってくるいい文章になっていた。
(注)長昌寺の壁に南国忌に寄進した人の一覧表が貼られていた。その中に「石油ストーブ2台」というのがあった。春とはいえ2月24日の命日の寒さが伝わってくる品物に思え、詠んでみた。
                                 (平成31年作)




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