地理 - ひこばえ
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ひこばえ


地理 カテゴリーの記事

夏川

夏川を越え農道にペダル漕ぐ



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来福寺を出て白旗神社へ向かった。ここも和田義盛を祀る神社である。一応地図は持っていたがそれほど詳しいものではない。地図よりも頼りになるのが「三浦半島の史跡みち」という本である。作者の手書きの地図が書かれていて説明文もあるので今回の旅ではとても役に立ったのである。しかし、来福寺を出て走った道は畑の中である。右にも左にも行ける道ばかりで、目指す白旗神社へは近づいているのかどうかさえ分からなくなってしまった。途中、畑仕事をしている人がいたので聞いてみることにした。
「すみません、ちょっと道を教えてもらいたいのですが……」
「……」
「白旗神社に行きたいのですが……」
「……」
最初、何も言わないで近づいてくるので声を掛けたことに怒っているのかと思った。70才位の男性である。ムッとしているようにも見えたが、そうでもないらしい。地図を見て、どう説明しようか迷っているようである。ようやく行く方向を指で差し示してくれたが、どこをどう曲るかとなると口では言いづらいらしい。
「あぁ……うぅ……」
唸りながら私の地図の上に指を置いたが、その瞬間ボタボタとその上に顔の汗を落とした。慌てて拭おうとするが、手が汚れているので却って酷いことになる。
「大丈夫です。自転車屋でもらってきた地図ですから気にしないでください……」
三浦の人は口が重いのかも知れない。分かったような分からないような道案内にお礼を言いながらも、その人が言った「大き目の碑が立った曲がり角を曲る」を目指して自転車を進めることにした。スマホでナビが使えるはずだが、使い方を知らないのでこういうことになるのである。今度、教えてもらうことにしよう。
結局は男性に教えてもらった通りの道を走り、迷うことなく白旗神社に辿り着いたのだから感謝するばかりである。それにしても農道というのは分かりづらい。
                                 (平成29年作)

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夏潮

夏潮の底を浚ひて地引網



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5月14日(日)辻堂海岸で行われた地引網に参加してきた。主催は倫理法人会である。当然連れていったのは魚博士のカズ君(4才)であるが、地引網というものを知らないので一向に盛り上がって来ない。そこでスマホで動画を見せたところ食いついてきた。
「スゲー、たくさん入っている。あっ、シマダイだ。サメもいる。タコもいる。ウツボもいるかも知れない……」
一気にヒートアップした。こんなに期待させて大丈夫だろうかと思うほどの盛り上がりである。私自身がやったことがないので、本当に獲れるものなのかどうか分からない。当日の天候は晴れ。絶好の行楽日和である。バケツ、熊手、サンダル、着替えと準備万端で出発した。
海岸に着くと大きなテントがいくつも張られていて知った顔がたくさん集まっていた。家族連れが多い。奥さんや子供さんが大勢来ている。受付を済ませるとすぐにビールである。いやはや、これは楽しい。毎年恒例になっているという意味がよく分かった。天気はいいが波が荒いようである。午前に2回、船を出す予定だったが1回目は中止となった。「えー!こんなに天気が良いのに……」
地引網は漁船が底引き網で漁に出て、その網を砂浜から引き揚げるのだという。なるほど、ようやく仕組みが分かった。それなら大漁もあるだろう。思わぬ魚も入っているかも知れない。待つこと2時間、ようやく船が出た。波打ち際で舳先を天に向けるほどの荒波である。沖に漕ぎ出せばそれほどでもないのだが、荒波に漕ぎ出す漁師とは大変な仕事である。しばらくして船が戻ってきた。いよいよ地引網スタートである。2本の綱を手繰り寄せていく(写真)。カズ君も一生懸命である。あんなに働く姿を見たことがない。やる気満々である。しかし、引き揚げた結果はサッパリで、見るべきもの無しという結果である。あちこちで溜め息が漏れるが、これだけは誰かを責めるという訳にもいかない。
途中に抽選会があった。受付でもらった番号札のクジ引きである。こちらは缶ビール1ケースが当りカズ君も大喜びである。しばらくして予定していなかった2回目の船が出た。今度は大漁である。様々な魚が獲れていて網を囲んで子供たちは大はしゃぎである。イワシが山のように獲れていた。子供たちが手掴みでもらってくる。カズ君も山盛りにもらってきてバケツに入れた。
「よし、フライだ。帰ったらフライにして食うぞー」
いやぁー、その揚げ立ての美味いこと。カズ君も食うわ、食うわ。「まるでウツボの如し」とは少し前のブログに書いたばかりだが、ここでもまたそう書かずにはいられないほどの食欲である(笑)。
                                 (平成29年作)

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卯波

卯波寄す小舟の舫ふ和賀江島



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次に向かったのが材木座の光明寺である。治承4年(1180年)8月17日、源頼朝挙兵に駆けつけた三浦勢は台風の大水のため酒匂川の手前で撤退を余儀なくされる。頼朝が「石橋山の戦い」に敗退したとの報に接しつつ戻る途中、由比ヶ浜で敵方と出会ってしまう。小争いが始まり小坪峠に布陣、両者とも痛手を負うことになる。
「光明寺の裏山から小坪6丁目に抜ける道に小坪峠がある」と資料に書かれていたので行ってみることにした。光明寺はとても大きな寺だった。想像以上の大きさである。そこから裏山に抜ける道があるはずである。寺の右手に回ってみたが行き止まり。戻って左手に回り山を上って見たが、これも行き止まりである。「裏山から抜ける道」とはどこなのだろう。裏山に辿り着けない。探し切れずに諦めることにした。
次はすぐ傍の住吉城址である。カーナビに住吉城跡と入れても該当がないので、その近くにある正覚寺を入れてみた。すると「トンネル上に目的地を設定しますか?」と問うてきた。「はい」か「いいえ」である。「トンネルの上」の反対は「トンネルの中」しかないだろう。中に設定する人がいるだろうか。もちろん「はい」と答えた。道案内が表示されたので走り始めた。500メートルほどの距離である。トンネルの手前の道を指定してくる。しかし、そこには「この先、行き止まり」の札が立てられていた。「違うな」と思った。すなわち、曲らずにトンネル内に進み小坪マリーナの中に入ってしまった。「おかしいなぁ」と思った。車を停めて考えた。「トンネルの上」が駄目なのかも知れない。しかし、そもそも行きたい場所は正覚寺ではなく住吉城址である。近くにいた女性に聞いてみた。
「この山の上に城址があるはずなのですが、入口を知らないでしょうか?」
すると右手の道を指して、この先に入口があると教えてくれた。ナビより人に聞いた方が早い。トンネルの手前の空き地に停めて探すと「住吉城址」と書かれた小さな看板を見つけた。矢印に従って細い階段を上り始めた。すぐに次の看板が現れた。「ここは立入禁止(私有地)」「住吉隧道(トンネル)を下り公園上の白い建物付近一帯です」と書かれている。親切な看板だと思った。間違って私有地に入ってしまう人がいるに違いない。大助かりである。急坂を上り、隧道に到着、中を通って反対側に出た。しかし、あるはずの公園がない。白い建物も見当たらない。道を真っ直ぐに進み下りて行った。相模湾が見えるのでそのまま行くと海岸に着いてしまいそうである。城は山の上のはずなので間違っているようである。来た道を戻り、またトンネルの場所に戻った。左手に人の家のようだが広場のようにも見えるので入ってみることにした。朝なので誰もいない。上って行くと廃屋のような家があった。白い。これだろうか。この空き地を公園というのだろうか。写真はその空き地の崖っぷちから写した相模湾である。和賀江島が見える。
車に戻った。住吉城址は分からない。仕方がないので先程「行き止まり」と書かれた正覚寺の道に入ってみることにした。また元の道を戻る。道は細かった。擦りそうな場所もあった。突き当りに正覚寺があった。車を降りて寺の脇道を上り始めた。城は上にあるはずである。しばらくすると「あれっ?」と思った。見覚えのある場所なのである。
「あっ、さっきトンネルを出て下りてきた場所だ」
同じ山を違う方向から2回上ったことになる。しかも城址が見つからない。「フー」と大きく溜息を吐いた。
「今日は止めておこう。ここはまたの機会にしよう」
足がパンパンである。戻って車の中でしばらく休むことにした。
                                 (平成29年作)

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凍ゆるむ

押さば押せ押せば土俵の凍ゆるむ



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朝稽古が見学できる相撲部屋を探そうとインターネットで調べてみると、荒汐部屋、八角部屋、東関部屋の名前が出てきた。それぞれ前日の午後に連絡をしてから来てくださいと書かれている。土曜日の夕方に電話を掛けてみた。孫のカズ君には翌日曜日に稽古を見に行くことを話している。まずは八角部屋に掛けてみた。すると「明日は稽古をやっていない」という。しかも見学するにはインターネットで申し込んで下さいという。まさかやっていないとは考えなかったので少し慌てた。次に荒汐部屋に掛けてみた。こちらはやっているという。「いつでもどうぞ」と言ってくれた。しかし稽古はガラス越しでの見学になるという。「ガラス越しかぁ。迫力に欠けるなぁ」
次に東関部屋に掛けてみた。時間帯が悪いのか繋がらない。夕方、ドタバタしていたのでそれっきり電話をするのを忘れていた。寝ようとして布団に入った時に思い出した。少し遅いが仕方ない。
「もしもし、東関部屋ですか……」
電話をして驚いたのは茶の間にいた妻である。寝るものだとばかり思っていた私が、いきなり大きな声で喋りだしたのだから「急に大きな声を出さないでよ。心臓に悪いわよ」と叱られてしまった。

翌朝8時半に家を出た。向かうは東関部屋である。電話応対の感じも良く、土俵のすぐそばで稽古を見せてもらえるという。9時20分に到着した。玄関ドアを押して入るも誰も出てこない。稽古場から声が聞こえる。まず私が入って稽古場の戸を細く開き、中を窺った。外人客が座っている。その向こうでこちらを振り向いたのが高見盛である。
「おっ、高見盛だ」今は髷を落としたので親方になっている。「なんだ?」というような目付きをして私を睨んだ。「スミマセン、昨日電話で予約しておいた者です。4人、大丈夫でしょうか?」すると高見盛、外人の座っている間の座布団を指差して目で合図する。「座れ」ということらしい。振り返って妻に「オッケー」の合図を送る。高見盛が無言なので、こちらもついつい無言になる。外人は全員女性で10人くらいいた。私達のために座布団を用意してくれたが「サンキュー」とも言えない。声を出してはいけない雰囲気なのである。妻は入ってきたが、カズ君が入って来ない。いきなりの裸の稽古風景に驚いたらしい。入りたがらないのを娘が無理やり抱っこして入ってきた。少しざわついた。高見盛が振り向いて「ちょっと、困るんだよなぁ」と低い声で注意する。「スミマセン」と娘。小さな座布団に座って見始めたが、ものの2、3分でカズ君が愚図つき始めた。途端に振り返る高見盛。目がキツイ。堪らずに娘は外に出る。我々もそれから10分程して外に出た。
「もう、雰囲気悪いよ。怖すぎだよ。あんなに睨まなくたっていいのにねぇ」と娘。
「集中して稽古しているから、ちょっとした物音でも怪我の元なんだよ、きっと」と私。
                                 (平成29年作)

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行く秋

行く秋や山下りてはや山を恋ふ



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車を停めた場所に戻ったのが2時である。山小屋を出発したのが10時半なので、実に3時間半歩いていたことになる。小丸尾根を下りれば1時間と思っていたので、どこでこんなに時間が掛かったのか時計を見て驚いたものである。すぐさま温泉に向かった。秦野の「湯花楽」、ここだけは事前に調べておいた。もちろんジェットバスも完備されている。約1時間の温泉タイムで疲れを癒し、東名の渋滞に掴まりながらも無事に帰宅したのが5時半、朝の5時半出発から丸12時間の旅だったことになる。

ここで、今回の鍋割山登山での教訓をまとめておこう。
① 「地図は最新版を用意しよう」
実は今回使用した「クルマで行く山歩き(関東周辺)」は10年前に大菩薩峠に行った時に買ったもので、2007年版のものである。小丸コースが閉鎖されていることも駐車場が「二俣」まで行けないことも書かれていない。情報は最新版で確認しておかなければならない。
② 「電子辞書は持参しよう」
スマホの通じない場所があることが分かった。調べたい物が調べられない苦痛は予想外に大きい。それは時として山登りの苦痛より大きく感じたりするものだ。少々荷物にはなるが、これからは電子辞書を持参することにしよう。
③ 「山登りの小説は読んでおこう」
あまりにも山の怖さを知らな過ぎたようだ。経験する前に知識だけは得ておこう。立ち入り禁止区域に入り込むなどという初歩的なミスをそこでは教えてくれるに違いない。もちろん、シャーロックホームズは必読である。いざと言う時のために推理力を養っておかなければならないことは言うまでもない。
④ 「妻を大切にしよう」
一歩間違えれば山岳救助隊という騒ぎにもなりかねない事態に巻き込んでしまった罪は大きい。相当に不安だっただろうに、一言も責めることなく付き合ってくれたのには感謝の言葉もない。これからの山歩きはもちろんだが、日常生活においてもしっかりと良きパートナーとして歩んでいけるよう愛情一杯で接していきたい。もちろん、ストックの10本や20本、次回登る山の選定権など言を俟たない。
                                 (平成28年作)

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