時候 - ひこばえ
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ひこばえ


時候 カテゴリーの記事

秋澄む

秋澄むやマイク越しなる己が声



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翌朝は小雨まじりの天気だった。4時半に起き、5時40分に会場に入った。会場はオレンジホテルの向かいのビルである。何人かが来ていて準備をしていた。知った顔もいて皆さんに挨拶して講師席へと案内された。先日の会長の弟さんにも会えた。横浜でお世話になったことを話すと「そうですか、それは、それは」と言うだけで会長からは何も聞いていないようだった。「俺は行けないけど、弟に話しておくから」という言葉は社交辞令だったようである。6時ちょうどに役員朝礼が始まり、6時半にモーニングセミナーがスタートした。全員で歌を歌い、栞の輪読、会長挨拶と続き、私の講話が始まった。6時45分から7時25分までの40分間である。演台に立ち挨拶をし、さてこれからという時に前列3番目に座っている人を見てアッと驚いた。あの会長が座っていたのである。「もう早起きは出来ない」と言っていたのに来てくれたのである。セミナーが始まる前には見掛けなかったので、間際に入ってきたようである。とても嬉しかった。わざわざ来てくれたに違いない。張り切って話し始めたことはもちろんである。
私の講話の内容は自分が社長になってからの苦労話である。実際に起こったトラブルをどのように解決したかという話である。人は苦難に直面する。その時どう動くかで人の真価が試される。立ち向かう人もいるし逃げる人もいる。正しい方法で対処出来る人もいるし、間違ってトラブルを大きくしてしまう人もいる。原因を相手の所為にして、相手を変えさせることばかり考える人がいるが、ほとんどの場合は逆である。自分に原因があると考えた方がいい。自分自身を省みて反省し、正しい方法で対処すればどんな苦難も解決出来る。どんなに大きな苦難でも決して逃げてはならない。苦難が大きければ大きいほど、乗り越えた時の喜びは想像以上のものとなる。そんな話である。
終ってすぐに会長のところに挨拶に行った。
私「先日は有難うございました。今日は来てくれるとは思いませんでしたよ。本当に有難うございます」
会長「あんたがしゃべるというのに来ない訳にはいかないだろう(笑)。何年振りかで早起きして出てきたので、女房からも怪しまれたよ(笑)」
私「いやに真面目に聞いてくれていましたね(笑)」
会長「いや、本当にいい話だったよ。来てよかった。聞き逃したら大損するところだったよ」
私「冗談を言わないでくださいよ(笑)」
会長「いや、本当によかったよ。グッと来たよ。人の話を聞いてこれほど感動させられたのは久し振りだよ。話が上手いねぇ。あんたは語り部だよ(笑)」
絶賛である。その後の食事の席も隣に座らされ、褒められっぱなしである。
その会長さん、会の人達にとっても久し振りだったようで次から次へと挨拶されていた。しかも皆さん、相当に敬意を払っている。相当の大物であることが分かった。
                                 (平成29年作)

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そぞろ寒

そぞろ寒ただ寝るだけの宿に入る



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当日、早目にホテルに着くように出掛けたが、東名高速の入り口でトラックの横転事故があり1時間以上も渋滞に嵌まってしまった。早く着いて小田原城を見に行きたかったのである。しかし、時刻は4時半になっていた。カーナビに案内されて目的地に到着したが、オレンジホテルなる建物が見当たらない。路上に車を停めて外に出て探してみた。ビルの中の3、4、5階の部分だけがホテルだということが分かる(写真)。会長の言う「小田原で一番豪華」という意味が分かった。駐車場に車を入れて「ホテルフロント」と書かれた3階に上がっていった。薄暗い建物のエレベーターを降りたすぐ横にフロントがあった。
私「スミマセン、どなたかいらっしゃいますか?」
声を掛けると奥から若い女性が出てきた。
私「予約していると思うんですが、日向と申します」
女性「はい、伺っております。代金がまだなのですが、頂いてよろしいでしょうか?」
私「えっ?代金は倫理法人会の方で支払うことになっていると思うんですが……」
女性「そうですよねぇ、いつもは頂いているんですが、今日はまだ頂いておりません」
私「そう?それじゃ、問い合わせてくださいよ。きっと、会で支払うはずですから」
女性「分かりました。それでは少しお待ちいただけますか?係があと10分ほどで参りますので、それまでソファでお待ちいただいてよろしいですか?」
エレベーターの目の前にあるソファを指して言う。私も講師を行なうようになってから2年ほど経つが、こういう造りのホテルは初めてである。建物の一部だけがホテルである。ホテルがテナントで入っているのだろうか。他の階をテナントで貸しているのだろうか。どういう部屋なのだろう。風呂は付いているのだろうか。少し不安になってきた。
しばらくして係という男性が現れた。年は78才。コンチネンタルホテルで会った会長より5才上とのことだったので、そういう計算になる。
男性「代金はいいですよ。こっちで連絡しておきますから。〇〇さんもウッカリしているからなぁ(笑)」
〇〇さんと私は面識がないのだが、当然知っているものとして話している。会長の話にもなった。聞くと凄い人である。手広く事業を行なっていて小田原の名士のようである。
男性「あの人がここの法人会を作ったようなもんですよ。顔が広いので一挙に人を集めてみんな会員にしてしまった。勢いがあったなぁ。俺も古いからね、そのあたりのことは全部知っている(笑)」
翌朝のモーニングセミナーの会場の場所を教えてくれたり、駐車場のことを説明してくれたりして部屋のキーを渡された。どんな部屋だろうと危ぶんだが、入ってみると普通の部屋だった。しばらくして夕食に外に出たが、向かいがすぐ「万葉の湯」という立派なビルである。他で軽くビールなど飲んで食事をし、再び「万葉の湯」の前に立ったが入るのも面倒になり部屋の風呂に入って休むことにした。本を読みながら寝てしまった。
                                 (平成29年作)

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この秋を籠りて筆を徒然に



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話は「山気玲瓏太白深」に変わる。10月に開催された書道展に出品した作品である。これを書くに当り、紙を買いに行くところから始めなければならなかった。いつも使っている半紙ではない。半切りの3分の1(34.8㎝×45.5㎝)という大きさである。「どこで買うのですか?」と先生に聞き、桜木町駅前のゴールデン文具に出掛けた。7月末の暑い盛りのことである。お客はあまり居なかったので、暇そうにして立っていた女性店員に声を掛けた。
「半切り3分の1というのが欲しいのですが、どうすればいいですか?」
「紙の種類は決まっていますか?」
「いや全然、何も決めていません。初めてなので見当も付かないんです。そんなに種類があるのですか?」
「こちらへどうぞ」
案内されたのが、写真の棚の前である。
「この中からお選びいただくんですけど」
「いやに一杯あるねぇ。ちょっと見せてもらっていいですか?」
「どうぞ」
いやに愛想のない女性である。笑顔が全くない。初心者相手なのだから、もう少し暖かく迎えてくれても良さそうなものだが、まるでその気がないらしい。一人で眺めてみた。見るとそれぞれに紙の特徴が書かれている。
「にじみが少ない」「にじみが多い」「にじみ易い」
にじむかどうかがポイントのようである。価格はピンからキリまであるようで、やはりここは店員に聞くしかないようである。今度は違う女性に聞こうと思い別の人に声を掛けたが、その姿を見てまたさっきの女性がやって来た。
「どうしますか?」
「全然分からないので、ごく普通の物を選んでもらいたいのですが……」
「じゃ、こちらへどうぞ」
また同じ場所に連れて行かれた。愛想の無さは同じである。
「これなんかがお勧めです。出してみますか?」
「お願いします」
テーブルの上に広げて「もう、あなたにはこれしかない」という態度である。
「いつもこの奥のギャラリーで書道展を開いている群星会というのがあるでしょう。そこに初めて出すんですけど……」
群星会と言っても反応なし。取りつく島も無い。面倒臭くなった。価格も手頃だし、にじみが少なく、擦(かす)れが出やすいというので、それに決めてカットしてもらうことにした。他の物を出してもらったところで良し悪しの判断が付きそうにないと思ったのである。文字を書く難しさより、この女性とコミュニケーションを取る方が余程難しそうな気がした。甲州産、手漉き「香蕉箋」という名前の紙を買って帰ってきた。
                                 (平成29年作)

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身に入む

身に入むや野に捨てられし欠け茶碗



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倫理を学んで本当に経営に役立つのだろうかと言う人がいる。実際に今学んでいる人の中にもそう思っている人がいる。こればかりは本人次第のようである。先日、ある講師が同様の質問を受けた際に次のような実話を紹介していた。なるほどと思ったのでここに載せておくことにする。

Kさんは中小企業の社長である。社員の定着率の悪さに悩んでいた。なかなか人が集まらないところに、今いる社員も何か文句を言うとすぐに辞めていってしまう。辞められると困るので言いたいことも言えずに悶々としていた。紹介されて倫理法人会に入会した。しばらく経った時に倫理指導という個別相談を受けてみることになった。どう社員に向き合えばいいのかを相談したかったのである。指導員は倫理研究所の先生である。Kさんが会社での悩みを話し始めると先生は家庭の中のことをいろいろと聞いてきたそうである。
「いえいえ、先生、私の悩みは家庭のことではありません。会社のことなんです」
それでも先生は家庭のこと奥さんのことばかり聞いてくる。「これではいくら相談しても意味がない。私の悩みと全く違っていることしか答えてくれない。もういい。帰る」と席を立ったそうである。
「そうですか、それでは仕方ありません。しかしKさん、ご自宅に戻られましたら奥様にこれだけは聞いてみてください。俺に言いたいことは無いかと」
家に戻ったKさんは何となく先生から言われたことが気になって、奥さんに聞いてみたそうである。
「俺に何か言いたいことがあるかどうか聞いてみるように言われたんだけど、何も無いよなぁ」
すると奥さんは「そうですか。それでは折角ですから言わせていただきます」と言ってそれから2時間、延々とKさんへの不満を並べたそうである。驚いたのはKさんである。人並み以上に頑張り、お金を稼ぎ、いい家に住んで、何ひとつ文句などあろうはずがないと思っていたところでの2時間である。呆然として聞いていたそうである。自分の湯呑茶碗がよく変わることには気付いていたが、それは奥さんがKさんに不満を言えずに自宅の塀に向かって湯呑を投げ付けて割っていたせいだったことも判明したのである。
そのことでKさんは如何に人の話を聞かずに身勝手に過ごして来たかを気付かされたのである。一番身近にいた奥さんのそうした思いも知らずに、なぜ他人である従業員のことが分かるか。気付いたKさんはすぐさま従業員の前で反省の弁を述べ、全員に向かって頭を下げたそうである。従業員との会話が始まり、前向きになり、それ以降は一人の従業員も辞めていないという。
しばらくしてのこと、ある従業員が定年で退職していった。その翌日、見知らぬ若者が入社を希望して会社を訪ねてきた。採用予定はなかったが話を聞いてみると前日退職していった人の息子さんである。「父から言われました。いい会社だから頼んで入れてもらって来い」と。Kさんは大いに泣いたそうである。あれほど人が辞めて困っていた会社がこうも変わってくれたかと泣けて泣けて仕方なかったそうである。
倫理法人会ではたくさんのことを学ぶ。人それぞれに学び方は違っているかも知れない。そしてその教えを生かすかどうかもその人次第である。「気付いたらすぐに行動」ともいい、「実践してこその倫理」とも言われる。悩んでいない人はいない。悩んでいてもその正しい解決方法が分からないという人がほとんどである。全ての人を幸福に導く素晴らしい教えが倫理である。
                                 (平成29年作)

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爽やか

壇上に立つ爽やかに背を伸ばし



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会場は横浜スタジアム傍の「ホテル横浜ガーデン」である。朝5時に到着して会場の準備をしてくれている人がいる。私も今までは5時半を目安に行くようにしていたが、会長になったので5時15分と少し繰り上げることにした。それには家を4時45分には出なければならない。すなわち3時半には起き出すことになる。前日に深酒でもしようものなら、辛いことこの上ない。
机と椅子はホテルの人が並べておいてくれる。その上に当日の配布物や必要なものを手分けしてセットしていく。5時40分頃には準備を終え、50分になると役員朝礼のリハーサルが行われる。毎週行うことだが、このリハーサルが大切なのである。一通り終えて6時ちょうどに本番が行なわれ、会員やお客様を迎える心構えを全員で共有する。大体20人位の朝礼だが、今期はそれを30人にしようと考えている。6時10分に終ると会場の扉を開き、外で待っていてくれた人達を迎える。ほとんどが知った顔だが、たまに知らない人も来場する。ここはすぐさまご挨拶である。知らない人を快く出迎えることが会長の務めである。6時25分に全員が着席して静黙の場を作る。6時28分にベルが鳴り、6時半ちょうどにモーニングセミナーが始まる。
まずは全員で歌を歌う。初めて来た人はこの歌を聞いて驚く。
「何、何、何?これは何?これって宗教?」
セミナーのスタートに相応しい歌なのだが、初めての人はほとんどが驚く。私も初めは妙な気分がしたものである。しかし大概は2、3回で慣れる。歌の内容を確認すると納得する。その次に「万人幸福の栞17箇条」を輪読する。倫理の本質を分かりやすく纏めた文章を全員で読むのである。1日1章なので、約5分間だが全員で読んでいく。どれもこれも心に沁みる有難い教えである。次が会長挨拶。全員の拍手に迎えられ壇上で挨拶をする。約5分間。「会長はこの挨拶に命を掛ける」と言われるくらい重要な時間である。その次が会員スピーチである。順番に指名され、これまた5分間話をする。そのあとが講話となる。講師は倫理研究所から派遣された先生の時もあれば外部から招いた講師の時もある。時に会員による倫理の体験談もあり、テーマはその時々で変わる。その日は期の初めなので会長になったばかりの私が30分間の所信表明を行なった。いい感じである。笑いも取りつつ、方針を述べ、最後に全員の協力をお願いした。そのあとが事務長による事務報告があり、最後にスローガンを斉唱して終了となる。きっちり60分間である。
そのあと全員で写真撮影を行い朝食会となる。これがまた楽しい。会員スピーチや講師の話の感想を述べ、和気藹々の1時間を過ごす。
今期のスローガンを「みんなで拡げよう倫理の輪170」とし、楽しく充実した1年にすることを全員で誓い合った。
                                 (平成29年作)

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